22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/03/29(木) 17:26:55.80 ID:TOjhpbtQ0
男「は？」
女「『自傷する少女』じゃない」
男「……知ってんの？」
女「ええ。読んだのは随分昔だけど、内容はよく覚えてる……」
そう言うと女は男の手を払い、本を手に取った。
懐かしそうに、パラパラとページをめくる。
そして、目を細めながら、口を開いた。
女「リストカットは、こうあるべきだったんだと思うわ」
男「え？」
女「こういう行為は……その人にとって、自己防衛の手段であり、恥ずべき秘密であり、最後の望みなのよ」
女「それがいつの間にか、公に目に晒されるようになって、たちまち人が蟻のように群がってきて」
女「興味半分で傷を見る人や、見せびらかす人、それを批判する人……どんどん拡散していって」
女「“死ぬ勇気なんて無いくせに”、なんて、的外れな説教をする輩まで出てきて」
女「自傷行為の中で、リストカットの好奇さだけが一人歩きし出して」
女「その結果…………あなたのような人が現れる」
男「俺？」ﾄﾞｷｯ
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