過去ログ - 打ち止め「失恋でもしたの?」一方通行「……かもな」〜外付けHD〜
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381:綺麗で上品な手段じゃなくてもいい[saga]
2012/06/17(日) 20:31:57.07 ID:0wydZm9V0


しかし、その殺意は煙のように消えていく。
透き通るような穏やかな、そして広陵とした荒野を思わせる乾いた声が野原に響く。


「光の当たる世界の、真っ当な女だ。俺みたいな野郎が相応しく無いことくらいわかってたさ」


空を掴もうとしていた手を握り締める。
一方通行の視線は拳の先、空へと向けられている。
まるで掴もうとして指の間から擦り抜けてしまったモノの行方を追うように。
切なく、寂しく、一人ぽっちの砂場で親と手を繋ぎ帰って行く子供達の背を見つめながら一人砂の城を作り続ける幼子のような目だとバードウェイはちくりとした痛みの走る胸を押さえ付ける。


「それでも……もう少し夢をみていたかった……それだけなンだ」



くしゃりと一瞬だけ一方通行の表情が歪む。
胸に走る痛みが引いていくのをゆっくりと確認するとバードウェイは徐に空に向けて伸ばされた手を取った。


「馬鹿だ馬鹿だと思ってはいたが……此処まで馬鹿な男だったとはな」


途方も無い一方通行への怒りが込み上げていた。


「覚めた夢の事をグズグズ、グズグズと情けない」

「放っとけ」


吐き捨てる一方通行の額をぴしゃりと叩く。

「痛ェッ」

非難めいた視線を無視して、掴んだ一方通行の手を自分の胸に押し当てる。


「放っておくわけがないだろう。折角狙っていた獲物が弱っているんだ。狩猟の絶好の機会をみすみす逃すほど私は潔くもなければ自尊心に凝り固まってはいない」




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