過去ログ - ほむら「私はあなたを、助けない」阿良々木「……」
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17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[saga]
2012/04/06(金) 23:25:41.73 ID:LK9HCvEh0

「お、おいおい……何の冗談だよ」

 目の前で起こる変化――というよりは異変に僕の頭は付いていくことができない。だが、悲しいことに景色の変換は着々と進行し、僕が何一つ言葉を発する前に
完全に摩訶不思議な空間へと挿げ代わってしまった。明らかに地球上の生物とは思えないグロテスクな物体がそこら中を飛びまわり、テレビで見かけるスプレー缶の落書き
よりも色彩に統一性のない地面と空、そして誰も居ない。

 と、ここで僕は少しばかり冷静になり(というか諦めた)現状を把握することに努める。
 まずこの空間。当たり前ではあるが今まで僕が生きてきた人生で見たことも聞いたことのない景色である。そして、その場合この状況が何を意味しているかも分かった。

 怪異、なのだろう。
 つまり、僕らは行き遭ってしまった――いや、取り込まれたという表現のほうが正しか。とにかく、いくら科学技術が発達した現代だろうとここまで広範囲の風景を
変える事など不可能だからそう考えるのが妥当だ。そうなると忍に少しばかり血を吸わせておいたほうがいいのかもしれない。荒事になる可能性は少ないと思うが、
決しては零ではないのだから。

「……忍、取り合えずお互いを強化しておこうぜ。忍野には乱暴な発想だとか言われそうだけど、保険を掛けておくに越したことはないだろうし」

「……そう、じゃの」

 そうやって忍は僕の首に噛み付いたものの、どこか集中していないようで今でも空間の奥を気にしているようだった。
もっと言えば、警戒している。僕としては周りで蠢いている物体のほうが気になるのだけれど。

「なんだよ、忍。ひょっとしてこの空間のこと知ってるのか?」

 僕の質問に、若干ではあるが身体が成長した忍が、首筋から口を外し答えた。



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