過去ログ - ほむら「私はあなたを、助けない」阿良々木「……」
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18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[saga]
2012/04/06(金) 23:26:46.85 ID:LK9HCvEh0

「うむ……知っては、おるの」

「いまいち煮え切らないな……とにかく、これは怪異の仕業ってことでいいんだよな?そしてお前が詳細も知っている」

 歯切れの悪い忍に対して自然と強い口調で問いただしてしまう。

「確かに、これは怪異じゃ。そして儂もその詳細を知っておる――じゃが、どのような者かまでは知らん」

「それは、忍野から訊いた知識だからか?」

 忍野。フルネームは忍野メメ。以前、僕がこういった状況に巻き込まれた際に助けてくれた恩人で、小汚いおっさん。
文化祭の前日に僕の住む町から去ってしまったが、あいつと少しばかり学習塾ビルの廃墟で生活をしていた忍は雑談という名目で怪異に関する話を延々と訊かされていたらしい。
そうであれば、あくまで知識でしかないので忍の物言いも納得できるんだけれど。

 しかし、忍野の話を一方的に訊かされてきたんだよなぁ、こいつ……あらためて辛かったんだろう、と思う。

「違う。これはあの小僧から訊いた情報などではない」

 しかし、忍の反応は僕の思っていたものと違った。
 はっきりとした否定。つまり、この怪異に関しては忍が元々知っていたということになる。

「へぇ、珍しいな。怪異は等しくお前の食料だったんだろ?それなのに詳しく憶えているなんて」

 忍は吸血鬼だ。現在は僕の影に縛られ、名前に縛られ、力を絞られ吸血鬼もどきではあるが、当時は最強のナイトウォーカー。
 
 怪異でありながら、怪異を喰う――通称、怪異殺し。

 実際のところ、その通称は忍の持つ刀から来ているのだけれど、彼女が怪異を喰らうことは間違いではない。

 つまり食料である怪異に対して忍は関心を持たず、それどころかその他の怪異との区別もしていなかった。
決して忍はグルメではない。いちいち食料の種類や名前、味などを覚える必要がなかったから。



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