過去ログ - ルサ・ルカ「マナは命、命はエロパワー」ランディ「そんな!」
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9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/04/21(土) 19:58:46.61 ID:9thj09qDO
ルサルカ「まったく、おぬしというヤツは」

ランディ「ルサルカ様!?」

ドアを開けて現れたルサルカの姿に、ランディが驚きの声を上げる。
だがルサルカは足を止めず、毅然とした態度でランディのそばまで歩み寄ってきた。

ランディ「ボ、ボクは……」

ルサルカ「大丈夫、おぬしは勇者じゃ、このワシが言うからには間違いない」

弱々しく涙ぐむランディを見ながら、ルサルカは爪先立ちに背伸びをして手を伸ばす。
向かう先はランディの頭。
それを察したランディがなされるままにヒザを曲げると、目標を射程距離に捉えたルサルカの両手が素早くランディの頭を左右からつかみ、主であるルサルカの胸元へと抱き寄せた。

ランディ「うわっぷ」

体勢を崩して倒れ込みそうになるランディだが、思いの外に力強くルサルカの体がランディを支えた。

ルサルカ「大丈夫、大丈夫じゃ、後はワシに任せておけ」

子供をあやすように紡がれるルサルカの言葉は、慈愛に満ちていた。
だが幼くして母が失踪し、愛を知らずに育ったランディにそれは理解出来ない。
ただ、ランディは『許された』とだけ理解出来た。
自分が、ルサルカから、ポトス村から、この世界のありとあらゆるものから許されたと。
髪を撫でるルサルカの手が、その声が、予感ではなく確信としてランディに教えてくれた。

ランディ「……」

ランディの頭を空白が支配していく。
だが、それはひどく落ち着く、幸福で満たされた空白だった。
ランディは無言でルサルカの胸へとさらに顔をうずめた。
その胸から、小さな鼓動が伝わってくる。
他者の命が刻まれるその音は、自然とランディの肩から力を抜いた。

そして、ほのかにランディの鼻をくすぐるのはルサルカの香り。
豊穣の大地に敷き詰めた花の冠を、静謐が支配する湖に目一杯浮かべたような、甘く、透き通った香り。
気が付けば、アレほどまでに揺らいでいたランディの心は、凪に入った海原のような静けさを取り戻していた。


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