過去ログ - 織莉子「私の世界を守るために」
1- 20
39:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)[saga]
2012/05/19(土) 15:56:29.17 ID:oO9qLT0Vo

 織莉子。

 名付けたのは、母親だ。

 「織」はもちろん、糸を紡いだり機を織ったりすること。
美国家の成り立ちから考えれば、その意味が良く分かるだろう。美国家が一代で財を成したように、その人生に幸あれ、ってところか。

 「莉」っていうのはジャスミンのことだ。
その花言葉は、実直さ、可憐さ、そして、妖艶さ。美しく真っ直ぐ育って欲しい、という願いの表れだった。

 名付けた母親は織莉子が3歳の頃に死んでしまったけれど、その名に込められた祈りは、織莉子の人生に確実なものとして作用していた。

 織莉子は、世のため人のため、という父の教え――公への奉仕をインプットされ、また名門一族としての美国家の看板を背負い、常に完璧であることを求められた。

 織莉子の父・久臣は良く口にしていたものだ。

「私の仕事はね、みんなが幸せになれるよう、この国を変えていくことなんだ。もちろん、織莉子の幸せの為にもね」

 皆の為に社会へ奉仕する父、世の中を良くする為に頑張る父。
街宣車の上から腐敗した政治の是正を呼びかける久臣の姿は、幼少の織莉子にとって何よりも誇らしいものだった。

 織莉子は、そんな誇らしい父のため、そして彼女自身が世の中の役に立つためという目的意識の下、周囲の要求に能く応えた。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
110Res/177.89 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice