94: ◆qaCCdKXLNw[saga]
2012/07/17(火) 04:12:04.88 ID:yIkrPX16o
「なんで……あなたたちは、いつも、私たちの邪魔をするんだっ!」
そうだ、お前たちは、世界ってやつは、いつもそうだ。
なぜ邪魔をする。
父は、当に世界を良くしようとしていた。
私は、いつも世界を良くするために動いていた。
私たちは、世界を破滅に導く鹿目まどかを始末するために動いていた。
私は、キリカの本懐を遂げるために動いている。
私たちのやることなすこと全ては、志も持たない卑小な輩によって潰えてきたのだ――。
「やめなさい」
暁美ほむらが言う。
「そのまま魔力を使い続ければ貴女も魔女になるわ」
上等だ、それくらい、実に些細だ。そのくらいの覚悟、とうの昔にできている。
「往生際が悪いね、観念しなよ」
小悪党風情が、何を言う。そうとも、私は最期まで往生際悪く在らねばならない。
私は多くの屍を踏み越えてここに立っているのだ。
そして何よりもキリカのために、自分はここで諦めるわけにはいかないのだ。
「わるいことはさせないんだからね」
何が善で何が悪かも解さぬ幼子が、知ったような口を叩くな。
「もう貴女には何もないわ」
ふざけるな!
もう何も遺されてはいない!?
ええ、そうよ、その通り。かつて有した地位も名誉も、己の尊厳も、自己の存在理由すらも、今の私には在りはしない!
今の私に在るのは、この身体と、キリカの遺志だけだ。
他には何も残ってはいない。いないのだ。
良いだろう、否定するが良い、私の何もかもをも。
だが、キリカの意志を、遺志を、否定する事だけは許さない。許さない、それだけは、絶対に。
最期まで私と共に在り続けてくれた友の志を否定すること、それだけは決して許しはしない!
「終わりよ、美国織莉子」
未だだ、未だ、終わってはいない!
この身は、この魂は、まだ朽ちてはいない!
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