過去ログ - 後輩「それじゃ、本当にこれでお別れです」
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2012/05/06(日) 18:17:10.10 ID:PB+9q1/Uo
◇
雨が降り出したので、後輩を連れて喫茶店に向かった。彼女の家があった場所からは、そちらの方が近かったのだ。
以下略
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2012/05/06(日) 18:17:32.12 ID:PB+9q1/Uo
俺は後輩に話を聞くことができなかった。
彼女に何を聞くことができる?
見間違いじゃないのか、道を間違えたんじゃないのか、気のせいだったんじゃないか。まさかそんな馬鹿げたことは言えない。
以下略
212
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2012/05/06(日) 18:18:09.12 ID:PB+9q1/Uo
彼女の目は少し赤くなっていたし、決して平気そうではない(当たり前のことだ)。
それでも後輩は、あたかも自分は平気だとでも言いたげにホットミルクをすすりはじめる。
触れれば砕けてしまいそうな、ガラス細工のような作り物の微笑を浮かべていた。
以下略
213
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2012/05/06(日) 18:18:35.51 ID:PB+9q1/Uo
俺の懸念とは反対に、彼女の顔色はよくなってきた。血色が戻り、強がりではなく落着きはじめているらしい。
「どうする?」
以下略
214
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2012/05/06(日) 18:19:52.96 ID:PB+9q1/Uo
「心当たり?」
「友達とか」
以下略
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2012/05/06(日) 18:20:29.98 ID:PB+9q1/Uo
◇
俺が中学にあがったときのこと。ついさっきまで忘れていた話だ。
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216
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2012/05/06(日) 18:20:58.10 ID:PB+9q1/Uo
◇
「生まれた」ということは、そのまま、未来の死が確定されたということを意味する。
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2012/05/06(日) 18:22:01.64 ID:PB+9q1/Uo
だから俺は母の言葉に対して上手に反論することができない。
「俺だってアンタを選んで生まれてきたわけじゃない。生んでくれと頼んだわけじゃない」
以下略
218
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2012/05/06(日) 18:23:06.02 ID:PB+9q1/Uo
もちろん、親である以上、子供に対しては真剣に向き合うべきだとか、責任はとれとか、そういうお題目を唱えることはできる。
責任をとれないのなら子供ができないように注意すればよいとか、そんなことだって言える。
(つまり"親に責任を取ってもらえない子供"は、生まれてこなかった方がマシだということだ)
以下略
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2012/05/06(日) 18:23:50.18 ID:PB+9q1/Uo
「わたしのせいじゃないわ」と母は言うだろう。
「アンタが勝手に生まれてきたのよ。わたしは別に、アンタなんていらなかった」
俺はそのことを想像するととても悲しい。どうして悲しいのかは分からない。
以下略
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2012/05/06(日) 18:24:16.45 ID:PB+9q1/Uo
両親に愛されないということは、そのままこの世の誰にも愛されないということだ。
両親というもっとも色眼鏡のかかった人間から見ても、俺はまったく必要のない、愛す価値のない人間なのだ。
そんな人間が誰かに愛してもらえるわけがないし、必要とされるわけがない。
以下略
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