過去ログ - 後輩「それじゃ、本当にこれでお別れです」
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251:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/07(月) 14:50:57.13 ID:SeOAfSECo

 仮にどちらかの世界が本物だとすると、もう一方は偽物だということになる。
 それがどういう原理で存在しているのかは分からないが、いずれにせよ現実と非現実の区別はつけられそうにない。

 あの魔法使いの女や、スズメの言葉も、こうなってみればただ意味ありげなだけではなく、一定の意味を持っていそうなものだ。 
以下略



252:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/05/07(月) 14:51:49.64 ID:SeOAfSECo
つづく


253:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)[sage]
2012/05/07(月) 17:18:48.52 ID:im6KXrMdo
1乙
核心に近づいてきた


254:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/08(火) 18:37:20.48 ID:xltWL3yio



 
"ジャックと豆の木"は、ポピュラーな童話である割に、ストーリーがひどく歪だ。
以下略



255:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/08(火) 18:37:58.43 ID:xltWL3yio

 しばらくして、ジャックは再び雲の上の城へと向かい、巨人の家から金銀財宝を盗み出す。
 ジャックが姿を消したことで憔悴しきった母親も、彼が無事帰ってくると大喜び。金銀財宝を見て更に感激する。

 味を占めたジャックはみたび城に忍び込み、今度はひとりでに鳴り響くハープを盗み出そうとする。
以下略



256:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/08(火) 18:38:26.41 ID:xltWL3yio

 俺はこの話を読むたびに、巨人には子供がいなかったのだろうかと考える。
 いたとしたら、その子供にもまた、ジャックを見守っていた妖女のような存在がいたに違いない。
 
 ジャックの父親は"財宝を盗み出されたあげく殺された"が、これはジャックが大男にしたのとまったく同じことである。
以下略



257:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/08(火) 18:38:54.28 ID:xltWL3yio



 幸いというべきか、両親は帰ってこなかった。
 妹に着替えを貸させて、ひとまず後輩に飯を食わせ、風呂に入らせた。
以下略



258:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/08(火) 18:39:29.16 ID:xltWL3yio

 いわば彼女は、俺と現実との間を繋ぐ最後の紐のようなもので、彼女がいるからこそ俺はかろうじて生きていくことができていた。
 彼女の存在を励みになんとかやることができた。だが、それはあまりに都合がよすぎる。
 
 ひょっとしたら彼女は――あるいはあのティアがそうなのかもしれないが――俺の作り出した妄想か何かなのではないか。
以下略



259:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/08(火) 18:40:14.16 ID:xltWL3yio

 扉を開けたのは後輩だった。彼女は困ったような表情で、部屋の前に立ち尽くしている。

「どうした?」

以下略



260:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/08(火) 18:40:40.63 ID:xltWL3yio

 彼女は何かを言おうとしてここに来たのかもしれないし、それを待つのも悪くない。
 第一、俺自身、彼女と少しでも長い時間、一緒に居たい気分だったのだ。

 やがて彼女は口を開いた。
以下略



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