過去ログ - 後輩「それじゃ、本当にこれでお別れです」
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283:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/08(火) 23:07:12.31 ID:xltWL3yio

 そうだ。ここは酸素が薄いのだ。だから混乱している。でも、どうして酸素が薄いのだろう? 
 ここは別に密室でもなんでもない。酸素が薄いなんてことはないはずだ。でも、事実息苦しいのだ。
 息苦しい。息苦しくてたまらない。ひどく生き苦しい。こんな場所に、正気の人間がいられるわけがない。

 逃げなくてはならないのだ。俺はこんな場所に一秒だっていたくない。もう一秒だってこんなものを見ていたくない。 
 でも、“こんな場所”ってどこだ? “こんなもの”ってなんだ? 俺はまた何かから目を逸らそうとしている。何から?
 
“現実”。

 不意に、前を歩いていたハカセが足を止めた。あともう少しで、鏡のある場所にたどり着くはずだった。
 彼は踊り場を見上げ、呆然と立ち尽くしている。シラノが彼の視線を追った。後輩もまた、少し遅れて“それ”を目にする。
 俺は見たくなんてなかったけれど、見るしかなかった。

 そこにはトンボがいた。




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