過去ログ - 後輩「それじゃ、本当にこれでお別れです」
1- 20
284:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/08(火) 23:07:38.62 ID:xltWL3yio
つづく


285:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)[sage]
2012/05/08(火) 23:12:28.17 ID:6fd0tidFo
1乙
一日に二回の更新か


286:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)[sage]
2012/05/09(水) 18:28:52.81 ID:faKwiD1do
シュルレアリスムだね
好きだよ


287:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/09(水) 23:13:16.43 ID:VRpUIwhYo




 トンボの足元には四匹の仔猫がいた。
以下略



288:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/09(水) 23:13:51.19 ID:VRpUIwhYo

「逃げるぞ」

 と俺は言った。ハカセたち三人は状況を飲み込めていない。俺も本当のところ、仕組みに気付いてはいない。
 舌打ちしたい気分だ。これが"カリオストロ"の嫌がらせなのだろう。
以下略



289:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/09(水) 23:14:33.41 ID:VRpUIwhYo

 いつのまにか、小さかった仔猫が、犬ほどの大きさになっている。頭痛がしそうなのをこらえた。
 
 俺は近付いてきた猫を跳ね飛ばし、蹴り飛ばし、殴り飛ばしたが、それでも彼らはひるまなかった。まったくひるまなかった。
 俺の身体には自然と傷が増えていく。どんどんと抉れている。段々と、俺は自分が何をしているのか分からなくなった。
以下略



290:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/09(水) 23:15:08.46 ID:VRpUIwhYo

 後輩はしばらくこちらを振り向いていたが、俺が目で促すと鏡に手を伸ばした。彼女はことさらスムーズに、鏡に飲み込まれている。

 やがて猫は動きを止めた。トンボが静かに俺の様子を見下ろす。
 満身創痍というにはなまぬるい。だが、血が床に垂れる程度には傷ついていた。 
以下略



291:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/09(水) 23:16:17.50 ID:VRpUIwhYo

 不意に俺の指先を掴む何かがあった。その力は俺を鏡の向こうに引きずりこもうとしている。
 痛みはいっそう激しくなった。トンボは空いている方の手を俺の抉れた傷口に差し込んだ。
 差し込んだ指先が俺の身体を激しく貪る。痛みが脳髄に痺れるようだった。
 呼吸が上手にできない。それでも何かの力が、俺を鏡の中に引きずり込もうとしていた。確実に。
以下略



292:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/09(水) 23:16:45.86 ID:VRpUIwhYo

 ハカセやシラノが大声で何かを言ったが、俺にはそんなことよりもっと気になるものがあった。

 俺は落ちていた"それ"を拾う。

以下略



293:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/09(水) 23:17:13.11 ID:VRpUIwhYo




 夢を見ている。
以下略



294:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/09(水) 23:17:43.71 ID:VRpUIwhYo

 俺にとって重大なことはすべて夏に起こった。
 そしてすべての夏は、あっというまに俺を取り残して去っていく。
 俺は秋になるといつも悲しくなる。夏の終わりになると、ひどく後ろめたくなる。
 
以下略



445Res/341.41 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice