過去ログ - 後輩「それじゃ、本当にこれでお別れです」
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291:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/09(水) 23:16:17.50 ID:VRpUIwhYo

 不意に俺の指先を掴む何かがあった。その力は俺を鏡の向こうに引きずりこもうとしている。
 痛みはいっそう激しくなった。トンボは空いている方の手を俺の抉れた傷口に差し込んだ。
 差し込んだ指先が俺の身体を激しく貪る。痛みが脳髄に痺れるようだった。
 呼吸が上手にできない。それでも何かの力が、俺を鏡の中に引きずり込もうとしていた。確実に。
以下略



292:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/09(水) 23:16:45.86 ID:VRpUIwhYo

 ハカセやシラノが大声で何かを言ったが、俺にはそんなことよりもっと気になるものがあった。

 俺は落ちていた"それ"を拾う。

以下略



293:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/09(水) 23:17:13.11 ID:VRpUIwhYo




 夢を見ている。
以下略



294:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/09(水) 23:17:43.71 ID:VRpUIwhYo

 俺にとって重大なことはすべて夏に起こった。
 そしてすべての夏は、あっというまに俺を取り残して去っていく。
 俺は秋になるといつも悲しくなる。夏の終わりになると、ひどく後ろめたくなる。
 
以下略



295:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/09(水) 23:18:11.15 ID:VRpUIwhYo



 
 目を覚ますと、呆れ顔の魔法使いが見えた。
以下略



296:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/09(水) 23:18:58.42 ID:VRpUIwhYo

 魔法使いの事務所には、黒スーツと少女がいた。後輩がいた。ハカセがいた。シラノがいなかった。トンボもいなかった。

「また無茶苦茶したね」

以下略



297:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/09(水) 23:19:24.88 ID:VRpUIwhYo

「本当に死ぬところだったのよ!」

 耳元で声がして、俺は咄嗟にのけぞった。聞き覚えのある声。ティアだ。

以下略



298:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/05/09(水) 23:19:51.81 ID:VRpUIwhYo
つづく


299:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)[sage]
2012/05/10(木) 05:15:17.70 ID:h7IwlPp7o
1乙


300:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/10(木) 14:40:18.69 ID:T5BAMud9o



 トンボは猫を捨てた。
 小さな猫だった。
以下略



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