過去ログ - 後輩「それじゃ、本当にこれでお別れです」
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3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/04/24(火) 23:22:15.46 ID:qSbSwrSBo

 今度は春か、と俺は思った。さっきまでは夏だった。……いや、九月だったから、秋だろうか? 夏休みが終わった直後だから、まだ夏かもしれない。
 まぁ、九月が夏だろうと秋だろうと、どちらでもかまわない。いずれにせよ、ついさっきまでは九月だったことには変わりない。

 ここ最近――六月の半ば過ぎから九月上旬まで――の俺には、こういうことがよくあった。
 
 時間の流れが、"現在"から、まったく別の季節、日、時間へと入れ替わってしまうのだ(こうとしか表現できない)。

 後輩に話し掛けられる直前まで、俺は九月八日土曜日にいた。桜はとっくに散っているどころか、葉桜も盛りを終えている。
 それにも関わらず、ここには桜が咲いているのだから、今は九月八日とはまったく違う日なのだろう。こういうことが三日に一度は起こった。

 はじめは一日、二日のズレで、おかしいなと思いながらも気のせいだと忘れていたのだが、週単位、月単位で"ズレ"るとさすがに気付かずにはいられない。

 七月から六月へ、八月から九月へ、そして今回、九月から四月へ。俺の意識は突然、過去の経験とも未来の映像ともつかない場所に迷い込んでしまう。
 記憶と記憶とのつながりが混線しているようで、その行き来は無秩序で唐突だ。
 現実にあったことか、と言われると、経験した覚えはない。では未来かというと、過ぎてみても"ズレ"で見たことが必ずしも実際に起こったわけでもない。
 もちろん符合するときもあったが、ただの偶然と受けとめたほうがよほど自然だ。



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