過去ログ - 後輩「それじゃ、本当にこれでお別れです」
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304:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/10(木) 14:42:31.54 ID:T5BAMud9o




 例の二人は俺を覚えていた。そのことを不思議がる余裕も今の俺にはない。
 俺の頭の中はからっぽになりつつあった。あるいは最初から、からっぽだったのかもしれない。

 魔法使いの女は、この世界に起こったいくつかの変化について、俺に教えてくれた。

 人が更に減ったこと、黒い獣が街を徘徊していること……どれもこれも、今の俺にはどうでもいいことのように思えた。

 赤の他人がいなくなったところで、俺はまったく悲しくない。
 視界に入らない他人は、もはや背景ですらない。数字だ。数字が増えたり減ったりすることに悲しみを覚えるはずがない。
 
 少女は赤いランドセルを背負って事務所を出た。黒スーツはしばらくコーヒーを飲んでいたが、夕陽が沈むころに去って行った。

 残ったのはハカセと後輩、魔法使いと俺、それからティアだけだ。「シラノはどうしたのか」と訊ねると、彼らは首をかしげた。




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