過去ログ - 後輩「それじゃ、本当にこれでお別れです」
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306:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/10(木) 14:43:29.25 ID:T5BAMud9o

 学校には人の気配がしなかった。時間が時間だというのもあるが、それよりももっと根本的に、人がいなくなりつつある。
 俺は旧校舎に足を踏み入れ、鏡へと向かった。薄暗く埃っぽく黴臭い。誰が好き好んでこんな場所に近付くのだろう。
 錆びついたドアノブを思わせる場所。そんな場所に。

 ティアは耳元でささやき続けている。

「カリオストロはまだ諦めていないみたい。一度取り込みに失敗したから、少し警戒しているようすだけど」

「取り込み?」

「取り込み。奴はすぐにでもやってくるわ。警戒しているって言っても、彼には他に方法なんてないんだから。
 でも、大丈夫よ、今のあなたなら。あなたは肝心なことを分かってる。信じたいものを信じるしかないってことをね」

 俺には彼女の言葉が空疎な言い訳にしか聞こえなかったが、事実俺は信じたいものを信じる以外に方法がなかった。




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