過去ログ - 後輩「それじゃ、本当にこれでお別れです」
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73:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/04/27(金) 15:39:43.81 ID:EJ+zLRyao




 ふと気付くと、俺は自室の椅子に座って携帯電話のディスプレイを眺めていた。 
以下略



74:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/04/27(金) 15:40:32.48 ID:EJ+zLRyao

 あの夏から、俺は背が伸び始めた。声が太く、低くなった。力の加減が少しずつ難しくなっていった。
 指の関節がごつごつと形を変え始めた。喉にふくらみができた。
 
 それなのに、俺はあの夏から少しだって成長できた気がしない。
以下略



75:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/04/27(金) 15:41:13.91 ID:EJ+zLRyao

 子供のままで生きていくには、この世界はたぶん気難しすぎる。
 そして、そんな人間が、現代にはたくさんいるのだ。息苦しくてたまらない人間がごまんといるのだ。
 正気の沙汰ではない。

以下略



76:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/04/27(金) 15:41:45.95 ID:EJ+zLRyao

 不意に、携帯電話のコール音が響いた。一瞬、どこから鳴っているのか分からなかったが、部屋に忘れてきたらしい。
 俺はコップをテーブルに置き、慌てて階段を昇って自室に戻った。

 無愛想な携帯のコール音は鳴り止まなかった。通話ボタンを押して耳に当てる。何も聞こえなかった。
以下略



77:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/04/27(金) 15:42:28.17 ID:EJ+zLRyao

「なんだ?」

 俺の声は自然と大きくなった。電話口から、相手が怒鳴る気配が伝わってくる。だが、なんと言っているのかは分からない。

以下略



78:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/04/27(金) 15:43:19.86 ID:EJ+zLRyao




 俺は夕方の昇降口で立ち尽くしていた。そのことに、ふと気が付く。
以下略



79:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/04/27(金) 15:43:42.09 ID:EJ+zLRyao



 屋上にはスズメがいた。

以下略



80:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/04/27(金) 15:44:08.26 ID:EJ+zLRyao

「私はどうでもいいんだけどね」

 とスズメは言った。

以下略



81:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/04/27(金) 15:44:35.50 ID:EJ+zLRyao

「みんな帰っちゃったね」

 彼女の声は、霧の中で澄みわたるようにくっきりと聞こえた。

以下略



82:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/04/27(金) 15:45:06.20 ID:EJ+zLRyao

「理解するつもりもないくせに」

「決めつけないでくれる?」

以下略



83:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/04/27(金) 15:45:32.25 ID:EJ+zLRyao




 家に帰ると、妹がリビングのソファで眠っていた。何も言わず部屋に戻る。 
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