13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]
2012/04/29(日) 13:29:46.00 ID:NtxCfnkio
唯「なんでかな、って考えたら、最近澪ちゃんと話すのが減ったような気がしてきて」
澪「……なんで、そこで真っ先に私? もっと他にも――」
唯「うん、そのへんも含めてりっちゃんに相談したらね、「お前澪のこと好きなんじゃないか」って言われて」
澪「それはまた唐突な……」
唯「でも、私はすごく納得したよ」
……それは、唯の中では私に対する好意に思い当たる節があったということだろうか。
唯「それで、「澪と付き合って淋しさを埋めてもらえ」ってりっちゃんに言われて」
澪「軽いなぁ……」
唯「素直に話せば澪ちゃんは絶対に私を助けてくれるから、あとは機を見て告白しろ、って。そこまでがりっちゃんのアドバイスだったの」
なるほど……。律に言いたいことはあるけど、とりあえずその結果があの日の涙と独白、そしてそれからの日々だった、ということか。
澪「……でも、あの日に私が唯の部屋に戻ったのは完全に偶然だったぞ?」
唯「……ホントはね、終わり際に澪ちゃんを引き留めて話す作戦だったんだ」
澪「律の入れ知恵で?」
唯「うん」
確かにあの日、唯の話を振ったのも律だったし唯の部屋に押しかけようと言い出したのも律だった。
ああ見えて稀にちゃんと人のことを見ている律だから気にも留めなかったけど、全て作戦だったなら確かに筋は通る。
澪「けど、唯はそんなことしなかった…よな?」
唯「…うん、出来なかった。勇気が出なかった。悔しくて情けなくて、そのまま泣いてた」
澪「……そっか」
そこにたまたま私が戻り、逆に私のほうから促す形になった、ということか。
そんな風に計算と打算で私と付き合うことになった、という事自体に唯が後ろめたい気持ちを抱いていたとしても不思議じゃない。
唯「……だから、ごめんなさい」
澪「……いいよ。唯が淋しかったのは本当なんだし。それに関して私も、唯に謝っておきたいことがあるんだ」
唯「…何?」
澪「唯があの日見てた手紙、ちょっとだけ見ちゃったんだ。最低なことをしたと思ってる。ゴメン」
唯「手紙?」
澪「ほら、私達みんなで押しかけた時、机に向かって読んでただろ?」
唯「あ……あはは、上手く隠したと思ったんだけどなぁ」
澪「見え見えだったよ。けど、だからって読んでいい理由にはならないよな」
唯「……えっと、ちなみにどこまで見たの?」
澪「本文はどれもほとんど読んでないけど、上から四枚目くらいまでかな…?」
唯「ほっ……」
澪「? とにかく、ごめん」
唯「う、ううん、いいよいいよ……あはは」
澪「ありがとう……」
唯「………」
澪「………」
唯「…………」
澪「…………」
……あれ? 何だ、この沈黙。私達、何の話をしてたんだっけ?
あ、そうか、別れ話してたはずなのに発端が勘違いだったせいで有耶無耶になった…のか?
少なくとも別れ話を切り出してきた唯のキッカケのほうは勘違いだったわけで……
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