過去ログ - 澪「唯の手紙」
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9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]
2012/04/29(日) 13:26:40.22 ID:NtxCfnkio



澪「……どう、して?」

辛うじて、そう声を搾り出した。
辛うじて、だ。どうやら私も相応にはショックをうけているらしい。

唯「……気づいてるんでしょ?」

澪「……何に?」

唯「……私のやり方は、間違ってた、って」

澪「……付き合う成り行きのこと、か?」

唯「うん……」

そのことなら確かに、気づいてはいた。

私達は惰性で付き合い始めたようなもの。私は妙な責任感で唯のそばにいて、唯はそばにいてくれる人を求めていた。
二人の事情が、妙な形でかみ合ってしまっただけだ、と。

あの日、全ての最初の日。唯は私達は悪くないと言っていた。ただ「淋しい」と言っていた。
涙の理由に私達が全く絡んでいないと言いながらも、唯は私を求めた。そばにいて欲しいと言った。
そんなの、「私で淋しさを紛らわそうとした」以外に理由なんてあるはずがないのだから。

でも私はそれでいいと思った。それで充分だと思ってた。
唯は唯のまま、思うままに振舞って欲しい。そんな唯を私はずっと見てきたし、それが唯だと思った。そんな唯のままでいて欲しいと思った。
たとえ淋しさを紛らわすための一時的な存在だとしても、私が隣にいることで唯がいつも通り元気に笑ってくれるなら、それだけで私は充分だった。

だから私は、唯から恋人として求められた時も拒みはしなかった。
唯のことは大切に思っていたから。好きか嫌いかで言えば間違いなく好きだったから。
……それが恋愛感情だと言い切れなくても、いずれ唯が淋しくなくなったら捨てられる存在だとしても、それでもよかった。
唯とずっと一緒にいたい。唯のことをちゃんと見ていたい。常々そう思っていた私にとっては。
友情か恋愛感情かハッキリせずとも、唯と離れることを何よりも恐れていた私にとっては。

自分の気持ちが友情なのか恋愛感情なのかハッキリしていなかったのは、きっと私も唯も同じだと思う。
大切に思い、大事にしたいと思う。私のそんな感情はどちらかと問われてハッキリと区別できる人がいるとは思えないし、
淋しい時にいつも隣にいてくれて、淋しい時に隣に居て欲しい人を求める唯の感情だってハッキリ区別なんて出来やしない。

……今までずっと仲のいい友達としてやってきて、始まりもそんな気持ちからだったから、きっと余計に。



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