256: ◆IsBQ15PVtg[saga]
2012/10/04(木) 01:07:37.88 ID:2ytvna2r0
黒崎「おい……刻命、いるのか?」
引き戸の取っ手の手前で、伸ばしていた手をはたりと止めて。
恐る恐る、中にいるであろう幼馴染の名前を呼ぶ。
しかし――中からは何の返事も返ってこない。
黒崎「刻命!!いるなら返事しろよ!!」
声を荒げながら、再度呼びかける。
だが――やはり返事はない。
刻命の声はおろか、何かが動く物音すらしない。
ただ、反対側の外に面した窓から、微かに雨音が響き渡るのみであった。
黒崎「ちきしょう。何してやがんだよ」
苛立ちを隠せないといった様子で、そのままかがみこむ。
引き戸に填められたガラスは所々割れていて、中を覗き込もうと思えば可能なように見える。
しかし、引き戸の向こうの図工室の中は闇に閉ざされていて、簡単に様子をうかがうことは困難なのは明白だった。
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