28: ◆IsBQ15PVtg[saga sage]
2012/05/14(月) 06:36:41.48 ID:7tHnqN7P0
刻命「物を投げつけてみてもだめだ。ガラスは割れてもいいようなものだが、それすらない」
初春「散らばっている机なんかも、床に張り付いて動かすことができない状態でしたけど……まさか、そこまで……」
刻命「まるで監獄だよ。何が何でも外に出られないようになっているかもしれないな」
そこで一旦言葉を切る。
丁度、先程のT字路まで戻ってきた。
直進方向に廊下が伸びているほかに、右手にも廊下が伸びている。
右は玄関の方に向かうはずだ。
しかし、刻命はそのまま分岐を通り過ぎ、ひたすら廊下を前へと突き進みだした。
刻命「おまけに外は、得体の知れない樹海ときたものだ。街の明かりも見えないし、果たして出られるか分かったものじゃない」
初春「…………」
ため息混じりに語りだす刻命の背中を見る形で、脳裏にはあることが思い起こされていた。
"監獄"という言葉を引き金にして。
――キミは監禁されたのサ。この多重閉鎖空間に。
この廃校に連れてこられて、目を覚ましたときに出会った亡霊の言葉。
――ソウカ……ソレはイキテ帰ってモライタイものダガ……不可能に近いだろウ。
――ココはとてツモなく強力な霊力によって創られた、特殊ナ空間サ。
脱出なんて、正直できそうにもない空間に連れてこられたという――現実。
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