99: ◆IsBQ15PVtg[saga sage]
2012/06/22(金) 23:00:34.01 ID:ca1gTGnY0
初春「…………」
何も言わず、ゆっくりと教壇の方へと歩み寄った。
幽霊じゃないとすれば、一体何か。
話しかけていることから――多分人間だろうと思う。
ただ、険しい表情のままで固まったままになっているのが、気になる。
多分、ただならない状態なのだろう。
少なくとも、"正常"ならば、何かしら会話があってもおかしくない。
――私も何かしなくては。
そんな思いに駆られた。
刻命に嫌な役を押し付けてしまったのだ。
先程から渦巻いていた後ろめたい気持ち。
そして、困った人には何か手助けをしなくてはいけないという、風紀委員としての使命感。
それらが、初春を突き動かしていた。
恐る恐る、廊下を踏みしめる。
口の中が異様に乾き、吐く息が自然と荒くなっていく。
握り締める手から、そして背筋からじわじわと汗が噴出してくるのを感じた。
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