過去ログ - 青子「……」有珠「……ひどい」草十郎「……ごめん」
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91:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/26(土) 22:07:38.00 ID:l6lpwwcP0

 雨が降っている。
 鳶丸は学校を休んで、三咲町の居酒屋で昼酒を飲んでいる。
 コンクリートの三和土(たたき)に、カウンターだけという安直な居酒屋で、客の大半は学生である。
 コップ一杯の焼酎が130円、つまみは塩辛を盛ったどんぶりが幾つか置いてあるから、各自勝手につまめばいい。
 鳶丸は酔い始めていた。まだ二杯とは飲んでいないのだが、昼間に飲む焼酎は、ことさら胃にしみるようだった。



「親父、こんな話を知ってるか」



 鳶丸は、カウンターの内側で肌ぬぎになって、しきりにウチワを使っている居酒屋の親父に、声をかけた。
 この不良め、というような表情で見返すだけで、ろくに返事をしようともしない親父を気にもかけないで、



「こんな話だ。いいか――ああ、やっぱりいいや、わるいな」



 言いかけた言葉を飲み込んで鳶丸は黙って焼酎を口に運んでいくことにした。
 だが、鳶丸は草十郎の周りで起きている戦争には興味がなかった。
 俺がより一層に巻き込まれて、面倒なことに駆りだされるようなことになったとしても、
 それならそれで、滅びの運命が全うされるだけの話だ。掟を忘れると宣言してみても、
 鳶丸が独覚であることに、なんの変わりもあるはずがなかった。



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