過去ログ - 心理定規「スクールは私が建て直す」
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2012/05/28(月) 17:29:07.43 ID:DIuXVX8d0
実験場第三層の一番奥の部屋、つまりは管理室の扉が開くと同時、控えていた猟犬部隊二人は一斉に銃を発砲――
できず、突然心の中で発生した銃への不信感と疑心に包まれ武器を床へと捨てる。
部屋に入ってきたのは猟犬部隊と同じ服で変装し、髪を一時的に黒に染めた心理定規だった。
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2012/05/28(月) 17:30:53.87 ID:DIuXVX8d0
潮岸「な、何をしているんだお前達! 敵はその女だぞ!」
パワードスーツに身を包んでいる潮岸の表情を外から見ることはできないが、潮岸の声を聞くだけで相当に焦っていることが伺える。
心理定規「無駄よ、二人とも私の術中の中」
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2012/05/28(月) 17:32:50.39 ID:DIuXVX8d0
潮岸は気丈にも口を閉ざし、心理定規をにらみ返す。
心理定規「過去の実験履歴を抹消された研究員、第二層にあったカプセル、連想されるのは呪われた計画……」
ゆっくり、しかし確実に潮岸が隠そうとしている事柄を当てるが如く、心理定規は小さく囁くかのように潮岸の眼前に顔を近づけて言う。
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2012/05/28(月) 17:36:01.52 ID:DIuXVX8d0
潮岸「な、なに!?」
心理定規「今の私の能力を舐めないで。貴方の私に対する思いは恐怖と憎悪と嘘しかない」
図星を言われた潮岸は歯噛みする。
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2012/05/28(月) 17:39:21.19 ID:DIuXVX8d0
潮岸「ひっ!」
背筋が冷たくなるような感覚が潮岸を襲い、急いで立ち上がるが後ろは壁だった。
心理定規「これほど強力な心理の書き換えをするには、相手の頭を直接触れる必要があるけれど、その条件も十分クリアできそうね」
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2012/05/28(月) 17:44:12.87 ID:DIuXVX8d0
雲川は一体どこからこの作戦全体を眺めていたのか、作戦が完了すると同時に待機させていた迎電部隊に直接指示を送って
心理定規やステファニー達潜入部隊および奇襲部隊を実験場から回収した。
今回の作戦で負傷者を多く出したスクールは、病院の一角全体を貸し切ったらしい雲川の計らいにより早急に治療を受けることができた。
209:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/28(月) 17:51:24.70 ID:DIuXVX8d0
入院するよう言われて一週間が経ち、心理定規は言い加減病院食にうんざりしかけていた。
心理定規「まったく、後どれくらい検査をするのかしら」
ステファニー「まぁまぁ、後三日の我慢じゃないですか。ここは学園都市の医療技術を賞賛しましょう。本来なら長期間の入院になっているはずです」
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2012/05/28(月) 18:01:23.77 ID:DIuXVX8d0
ステファニーはこれまでの任務と、そして病院で過ごした心理定規との生活を通して、少しばかり彼女の事を知ることができたように思えた。
いつもは済ました顔で任務に取り組み、己の目的のためにのみ行動しているように見えるが、その実、心理定規はこれまで仲間を失うような行動は一切行わなかった。
その気になればスクールの全メンバーを能力の使用により完全操作できるだろうが、そうするわけでもなく、さらに潮岸の屋敷の任務でも潮岸達の直接の護衛という
211:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/28(月) 18:19:41.68 ID:DIuXVX8d0
心理定規「……」
躊躇うかのように口を閉じる心理定規にステファニーは心配した表情で聞く。
ステファニー「心理定規、私は……その、貴方の事を少し誤解していました。貴方は貴方なりに仲間の事を想って行動している。
212:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/28(月) 18:21:09.11 ID:DIuXVX8d0
心理定規「初春さん、それに雲川、わざわざ来てくれてありがとう」
雲川「おいおい、私は呼び捨てか? 別にいいけど」
ふんと鼻息を鳴らし、雲川は改めて心理定規、ステファニー、そして初春を見る。
213:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/28(月) 18:24:47.07 ID:DIuXVX8d0
一頻り喜びを分かち合うと、雲川が徐ろに咳払いを一つ出す。
雲川「さて、本題に入らせてもらおうか」
任務が終わってからというもの、雲川は心理定規達の前に現れなかった。治療に専念してもらうためだろう。
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