10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga]
2012/05/19(土) 16:15:15.58 ID:PUm5wcli0
 剣での勝負なら……。 
  
 父上は負けはしませんのでしょうがと、 
 床に臥せる父親に一度訊いたことがあった。 
  
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga]
2012/05/19(土) 16:18:35.07 ID:PUm5wcli0
 例えこの躰は病んでも、気は決して病まず。 
  
 そうある限り、この刀は決して折れず、 
 おまえと……おまえの人生と共にある。 
  
12:>>11は 「 補完願います[saga]
2012/05/19(土) 16:24:11.30 ID:PUm5wcli0
  
 「父上、お躰にさわります」 
  
 「いや、大事ない」 
 父は続ける 
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga]
2012/05/19(土) 16:28:55.84 ID:PUm5wcli0
  
 「今のおまえとより一つ下の十六歳、 
 私が十八だった。 
  
 その言葉を言われてはっと気がついた。 
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga]
2012/05/19(土) 16:32:54.77 ID:PUm5wcli0
  
 こうして父は、今はもういない。 
  
 後から部屋に入ってきた母上は、あらあらと首を少しかしげ、 
 頬に手を当て落ち着いた様子であったが、 
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga]
2012/05/19(土) 16:39:14.63 ID:PUm5wcli0
  
 二 
  
 「これ、真之丞。 
  
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga]
2012/05/19(土) 16:43:58.02 ID:PUm5wcli0
  
 息子から見ての母はというと、正直、 
 目の前の女以上に女らしい人間を真之丞は未だ目にしたことがない。 
  
 黒みがかった蒼く長い髪、 
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga]
2012/05/19(土) 16:47:49.69 ID:PUm5wcli0
  
 「比べられるとしたら四条院の姫君くらいか……」 
  
 「何か言いましたか」 
  
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga]
2012/05/19(土) 16:59:37.40 ID:PUm5wcli0
  
 居間に飾ってある薙刀は飾りではないのだ。 
  
 あれは真之丞の母が使う。 
  
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga]
2012/05/19(土) 17:03:40.67 ID:PUm5wcli0
 おっとりとした外見とは裏腹に、 
 鋭い刃筋、 
 巧みな足の運びで、 
 近づくのも至難の業であった。 
  
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