13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga]
2012/05/19(土) 16:28:55.84 ID:PUm5wcli0
「今のおまえとより一つ下の十六歳、
私が十八だった。
その言葉を言われてはっと気がついた。
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2012/05/19(土) 16:32:54.77 ID:PUm5wcli0
こうして父は、今はもういない。
後から部屋に入ってきた母上は、あらあらと首を少しかしげ、
頬に手を当て落ち着いた様子であったが、
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2012/05/19(土) 16:39:14.63 ID:PUm5wcli0
二
「これ、真之丞。
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2012/05/19(土) 16:43:58.02 ID:PUm5wcli0
息子から見ての母はというと、正直、
目の前の女以上に女らしい人間を真之丞は未だ目にしたことがない。
黒みがかった蒼く長い髪、
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2012/05/19(土) 16:47:49.69 ID:PUm5wcli0
「比べられるとしたら四条院の姫君くらいか……」
「何か言いましたか」
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2012/05/19(土) 16:59:37.40 ID:PUm5wcli0
居間に飾ってある薙刀は飾りではないのだ。
あれは真之丞の母が使う。
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2012/05/19(土) 17:03:40.67 ID:PUm5wcli0
おっとりとした外見とは裏腹に、
鋭い刃筋、
巧みな足の運びで、
近づくのも至難の業であった。
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2012/05/19(土) 17:07:55.27 ID:PUm5wcli0
そうこう考えるうちに四つ角で友人に出会った。
「真、しばらくだったな!」
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga]
2012/05/19(土) 17:11:17.48 ID:PUm5wcli0
真というのは彼に親しい者が使う呼び名である。
これは父の最期の言葉に由来する。
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2012/05/19(土) 17:14:32.76 ID:PUm5wcli0
「相変わらず、あずさ殿が好きなのだなあ、真は」
「そんなことはない、
この私がいざ全ての力を出し切り、
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