234:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)[saga]
2012/07/08(日) 20:51:22.36 ID:n9gQtJ6k0
「や、何ともないぞ」
「しかし、ここらでは見ない美人だな」
むすめは少し笑いながら
「はい、遠い親戚の家がこのあたりにございまして。
私は、一度江戸の町を見てみたいと、よそから参った者です」
溌剌とした話し方だった。
わずかに覗いた八重歯が印象的だ。
会話をしているのは千早太である。
真は、目が離せなかった。
口を動かしている暇があったらこの娘を眺めていたい。
そう思えた。
「しばらくこちらに?」
「ええ」
「また、会えるかの」
「ご縁がございましたら……」
可憐に、軽やかに歩いて行った。
どうやら少し急ぎの用事らしい。
「いやあ、一目ぼれか」
千早太がぼんやりと呟いた。
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