244:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)[saga]
2012/07/08(日) 21:25:10.15 ID:n9gQtJ6k0
「良い長さだ」
袋から出された剣を見て千早太が頸を振る。
「これより、も少し短いな」
「はい。
二尺二寸二分でございます」
「でも、定寸とは言いづらいわね」
ひびきの答えに、りつこが口を挟む。
「ぎりぎり、といったところか。
真、どうする?」
「刀身を見ぬことにはな……」
内心の乱れが、躰の外に拡散しはすまいかと思いつつ、
また同じ手順で調べてゆく。
目の前に立てた刀身は、ひびきの姿を綺麗に写していた。
曲がりもなく、刃文は直刃で、真之丞の好みである。
「良い、とても美しい」
それだけ言った。
「それは私が打ったものにございます。
短い分、軽く、強い刃で、粘りも秀でております」
余程自身があるのだろう。
臆面もなくこちらを見据えて話す姿がまた、美しかった。
「では、これを下取りにいくらになる?」
「なんだ、もう決めたのか。
それにしても、ずいぶん早く気に入るものが見つかったものだ」
千早太が笑いながら言う。
「ありがとうございます」
りつことひびきが、二人声を揃えて言った。
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