6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga]
2012/05/19(土) 16:01:50.44 ID:PUm5wcli0
  
  
 第一章 剣の道、険しきこと 
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga]
2012/05/19(土) 16:03:45.48 ID:PUm5wcli0
 空が高くなった。 
  
 一年に一度はそう感じる季節、いや時期がある。 
  
 ああ、自分の背が縮んだのだ、と思わないでもない。 
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga]
2012/05/19(土) 16:05:45.56 ID:PUm5wcli0
 とはいえ成人した男子として、 
 一人の剣術者として、 
 幼い時分から稽古を怠らない壮健さと、 
 誰にも負けはしないと磨いた剣の業は十分に持っていると、 
 そう思っている。 
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga]
2012/05/19(土) 16:08:08.55 ID:PUm5wcli0
 孝行したい時に親は無しとはよく言ったものだ。 
  
 というより、親とは元々そういうものなのであろう。 
  
 父は私が十七の時に、肺の病で亡くなった。 
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga]
2012/05/19(土) 16:15:15.58 ID:PUm5wcli0
 剣での勝負なら……。 
  
 父上は負けはしませんのでしょうがと、 
 床に臥せる父親に一度訊いたことがあった。 
  
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga]
2012/05/19(土) 16:18:35.07 ID:PUm5wcli0
 例えこの躰は病んでも、気は決して病まず。 
  
 そうある限り、この刀は決して折れず、 
 おまえと……おまえの人生と共にある。 
  
12:>>11は 「 補完願います[saga]
2012/05/19(土) 16:24:11.30 ID:PUm5wcli0
  
 「父上、お躰にさわります」 
  
 「いや、大事ない」 
 父は続ける 
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga]
2012/05/19(土) 16:28:55.84 ID:PUm5wcli0
  
 「今のおまえとより一つ下の十六歳、 
 私が十八だった。 
  
 その言葉を言われてはっと気がついた。 
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga]
2012/05/19(土) 16:32:54.77 ID:PUm5wcli0
  
 こうして父は、今はもういない。 
  
 後から部屋に入ってきた母上は、あらあらと首を少しかしげ、 
 頬に手を当て落ち着いた様子であったが、 
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga]
2012/05/19(土) 16:39:14.63 ID:PUm5wcli0
  
 二 
  
 「これ、真之丞。 
  
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