61:律「うぉっちめん!」[sage saga]
2012/05/28(月) 15:06:06.36 ID:yc3eS1Xy0
梓『ど、どういう事ですか!? そんな……! 純が……! 嘘です!』
律「勝手を言うようで申し訳無いが、落ち着いてくれ。話を円滑に進めたいんだ」
梓『だって! そんな! 純が、純が死んだなんて!』
律「私が出した結論から先に言うぞ。鈴木は自殺したんじゃない。殺されたんだ」
梓『どうして律先輩にわかるんですか!』
律『もう一度言う。落ち着いてくれ。今から説明するから』
梓『ううっ…… ぐすっ……』
律「私は唯の死を調べていく中で、鈴木の存在に当たったんだ。告別式の日の行動に怪しさを
感じてな。それで奴から唯に関しての情報を聞き出した。梓、お前さ、唯が自伝を出版
しようとしていたって聞いた事があったか?」
梓『い、いえ……』
律『唯の自伝出版。それが鈴木から聞き出した情報のひとつだ。他には、唯はその理由を
言おうとせず、泣きながら誰かに謝っていたって事も。ここまではいいか?』
梓『え……? あ、はい……』
律「鈴木は今朝、私に電話してきたんだ。話したい事があるってな。唯の死そのものについてか、
自伝についてか、今となってはわからないが。それと、何かにビビってるようだった」
梓『……』
律「話が噛み合わないんだよ、梓。道理に合わないんだ。朝、私に会いたいと言ってきた奴が、
昼には私が行くってのに、その前に自殺しちまうなんて」
梓『……』
律「鈴木は、自覚してるしてないは別にして、何か重要な事を知ってしまったか、もしくは
関わってしまっていた。そのせいで消された」
梓『……』
律「話を整理するぞ。唯は自伝を出版しようとしていたが、その内容が世に出ると都合の
悪い奴がいた。だから、そいつは唯を殺した。そして、それに協力しようとしていた
鈴木も自殺に見せかけて殺した。更に、唯殺しの犯人をでっち上げて、今回の事件を
終わらせようとしている。こんなとこだ」
梓『……待って下さい。その推理が当たっているとしたら、今度は自伝の事を調べている
律先輩が狙われるかもしれないじゃないですか』
律「だろうな。まあ、望むところだ。手っ取り早く事件の真相を暴いて、唯の仇を討てるしな」
梓『……』
律「鈴木が殺されちまったから、自伝に繋がる線は完全に断たれた。だけど、ムギを襲った
野郎がまだ残っている。そいつを徹底的に調べ上げて、真犯人にたどり着いてみせる」
梓『その人はもう警察に捕まっているんですよ?』
律「だから何だ。そんなの関係無い。やると言ったらやる」
梓『……』
律「……」
梓『……』
律「……梓。2014年の大晦日の事、憶えてるか?」
梓『え……?』
律「唯の脱退を発表する記者会見の後、お前と唯の二人が路上ライブやってさ、とんでもない
大騒ぎになっただろ。交通もマヒしちゃって」
梓『あ、ああ…… ええ……』
律「あの時、二人とも警察にしょっ引かれたけど、取り調べでは唯が必死になってお前を
かばったんだよな。お咎め無しで帰してもらえるように。全部、一人で罪を被ってさ」
梓『はい……』
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