100:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/28(月) 18:46:50.91 ID:sFbrFP09o
俺たちがマックについたときには、タカヤは既に店内にいた。
彼の表情はなんだかいつもより不安げだ。それでもやはり様になる。
「おう」
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2012/05/28(月) 18:47:59.77 ID:sFbrFP09o
タカヤはまだ何も注文していないようだったので、俺たちは最初に適当な食べ物を頼んだ。
俺の財布の中身は食べ物、飲み物に消費される。身の回りには何も残らない。とても悲しい。
「で、だ」
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2012/05/28(月) 18:48:51.62 ID:sFbrFP09o
俺は思いつきを喋ることにした。そういえば俺は一%のひらめきに恵まれた男だった気がする。
幼馴染に顔を向ける。彼女は「どうするの?」とでも言いたげにこちらを見ている。お前も何も考えてないのか。
溜め息をつきかけて、やっぱりやめた。
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2012/05/28(月) 18:49:26.67 ID:sFbrFP09o
とにかく試してみようと思ったのか、タカヤは喉を鳴らして幼馴染に向き合った。
幼馴染は平然と視線を受け止める。目をじっと合わせる。時間が経った。十秒。
タカヤが先に目を逸らした。
104:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/28(月) 18:50:18.44 ID:sFbrFP09o
俺は考えるのが面倒だったので、思ったことをそのまま口に出すことにした。
「男子と話すときの調子でいいんじゃねえの?」
105:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/28(月) 18:51:01.98 ID:sFbrFP09o
「じゃあ手本見せるから。見てろ」
俺は幼馴染と向き合って会話をしようとする。こいつ相手ならどうにでもなるだろう。
話題を探す。向き合って顔を見ていると、些細なことが気になりだす。
106:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/28(月) 18:53:12.32 ID:sFbrFP09o
「だいたいさ、なんで女が苦手なんだ?」
俺が訊ねると、タカヤは思いつめたような表情で俯いた。別れ話を切り出そうとしている男のようだ。
107:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/28(月) 18:54:55.68 ID:sFbrFP09o
俺は幼馴染に適当な話をしてもらえないものかと思った。
彼女は自分に向けられた視線に気付くと、こちらを向いて、「わたし?」という顔をする。お前だ。
困ったような顔で溜め息をついてから、彼女は口を開いた。タカヤの顔がこわばる。
108:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/28(月) 18:55:30.37 ID:sFbrFP09o
「女慣れしてないってからかわれるんだ」
「誰に?」
109:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/28(月) 18:55:57.35 ID:sFbrFP09o
なんだか、都合のいい方向に話が動いている気がする。
結局のところ女に慣れるには女と話すしかないわけだし、そうなれば女友達でも作るのが手っ取り早い。
それなら幼馴染の友だちとでも会ってみれば? という話に簡単に持って行ける。
110:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/28(月) 18:56:54.69 ID:sFbrFP09o
俺はタカヤに適当なアドバイスをすることにした。
俺は人間関係心理学の権威でもなんでもない。ついでに言えば女慣れもしてない。
それでも、上から目線でえらそうなことを言うくらいはできる。誰にでもできる。
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