176:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/05/31(木) 22:03:38.24 ID:xl4Qp+SIO
乙ぱい
177:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/01(金) 20:06:34.64 ID:ymXqud5po
新聞部の部室で昼食を取るようになって三日が過ぎ、六人の人間はそれぞれがそれぞれに慣れ始めた。
俺は幼馴染と『付き合っている』という設定で振舞うことにも慣れていたし、タカヤも先輩やみーに物怖じしなくなった。
モスもまた普段通りに振る舞い、幼馴染も状況に応じて話に参加できていない人間に気を遣って話しかけた。
178:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/01(金) 20:06:51.68 ID:ymXqud5po
その状況が嫌になったわけではないし、ちょっと無責任かという気もしたのだけれど、ある日、俺は新聞部の部室に行かなかった。
近頃は四六時中誰かと一緒にいて、心休まる時間がない。家に帰ればゆっくりはできるが、別の意味で気疲れした。
風のない日だった。中庭はそれまでに比べると少しだけ暖かく、過ごしやすいと言えなくもなかった。
179:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/01(金) 20:07:17.70 ID:ymXqud5po
「なんで一人? 他の人らは?」
彼女は本当に物怖じしない。答えに窮した。別にたいした理由があってひとりでいるわけではないのだが
180:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/01(金) 20:07:43.78 ID:ymXqud5po
「いやぁ、姉としても心配だったからさぁ」
「タカヤなら、ほっといてもそのうち彼女を作り出しますよ。お姉さんの方はどうなんです?」
181:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/01(金) 20:08:09.92 ID:ymXqud5po
昼食を一緒にとるようになってから、タカヤと俺との関係はごく普通の友人同士と言えるくらいまで接近していた。
もしタカヤが自分の弱点を克服しきったあとも、付き合いは続くかもしれない。
そのこと自体はかまわないのだが――そうなったとき、俺は幼馴染との関係を、彼にどう説明すればよいのだろう。
182:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/01(金) 20:08:35.78 ID:ymXqud5po
俺は先輩の仕草に適当に相槌をうって更に考える。
もうすぐ冬休みなのだ。そんな短い期間で、このこんがらがった状態をなんとかできるんだろうか。
そもそも「みー」はタカヤといったいどうなりたかったんだろう?
183:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/01(金) 20:09:02.07 ID:ymXqud5po
とはいえ、ここでぐだぐだと拗ねていても仕方ない。
俺はタカヤ姉との話を適当に切り上げて教室に戻ることにする。
彼女には申し訳ないことをしたが、俺はそもそもあんまり人の話を聞きたくないタイプの人間だ。
184:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/01(金) 20:09:28.03 ID:ymXqud5po
放課後俺はまっさきに幼馴染の教室へ向かおうとした。幼馴染に会うためではなく、「みー」と話してみるためだ。
俺は彼女の目的を確認し、その目標に自分がどこまで踏み込むべきなのかを確認し直そうと思った。
もちろん、あなたには何も頼んでいない、全部お節介だと言われる可能性もあったが、それならそうでまったく構わなかった。
185:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/01(金) 20:09:54.79 ID:ymXqud5po
「誰に?」と嫌な予感を噛み殺しながら訊ねた。
「先輩に」
186:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/01(金) 20:10:26.15 ID:ymXqud5po
俺は胃のあたりがむかむかするのを感じた。
開き直ることにする。そういえば俺には何の負い目もないような気がした。
でもたしかに罪悪感がある。これはいったい何を理由にしているのだろう?
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