179:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/01(金) 20:07:17.70 ID:ymXqud5po
「なんで一人? 他の人らは?」
彼女は本当に物怖じしない。答えに窮した。別にたいした理由があってひとりでいるわけではないのだが
180:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/01(金) 20:07:43.78 ID:ymXqud5po
「いやぁ、姉としても心配だったからさぁ」
「タカヤなら、ほっといてもそのうち彼女を作り出しますよ。お姉さんの方はどうなんです?」
181:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/01(金) 20:08:09.92 ID:ymXqud5po
昼食を一緒にとるようになってから、タカヤと俺との関係はごく普通の友人同士と言えるくらいまで接近していた。
もしタカヤが自分の弱点を克服しきったあとも、付き合いは続くかもしれない。
そのこと自体はかまわないのだが――そうなったとき、俺は幼馴染との関係を、彼にどう説明すればよいのだろう。
182:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/01(金) 20:08:35.78 ID:ymXqud5po
俺は先輩の仕草に適当に相槌をうって更に考える。
もうすぐ冬休みなのだ。そんな短い期間で、このこんがらがった状態をなんとかできるんだろうか。
そもそも「みー」はタカヤといったいどうなりたかったんだろう?
183:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/01(金) 20:09:02.07 ID:ymXqud5po
とはいえ、ここでぐだぐだと拗ねていても仕方ない。
俺はタカヤ姉との話を適当に切り上げて教室に戻ることにする。
彼女には申し訳ないことをしたが、俺はそもそもあんまり人の話を聞きたくないタイプの人間だ。
184:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/01(金) 20:09:28.03 ID:ymXqud5po
放課後俺はまっさきに幼馴染の教室へ向かおうとした。幼馴染に会うためではなく、「みー」と話してみるためだ。
俺は彼女の目的を確認し、その目標に自分がどこまで踏み込むべきなのかを確認し直そうと思った。
もちろん、あなたには何も頼んでいない、全部お節介だと言われる可能性もあったが、それならそうでまったく構わなかった。
185:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/01(金) 20:09:54.79 ID:ymXqud5po
「誰に?」と嫌な予感を噛み殺しながら訊ねた。
「先輩に」
186:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/01(金) 20:10:26.15 ID:ymXqud5po
俺は胃のあたりがむかむかするのを感じた。
開き直ることにする。そういえば俺には何の負い目もないような気がした。
でもたしかに罪悪感がある。これはいったい何を理由にしているのだろう?
187:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/01(金) 20:10:52.34 ID:ymXqud5po
だから、俺はタカヤに対しての罪悪感がぬぐえないのだ。
そうまで行動を起こしてしまった以上、「みー」に対して徒労感を味わわせたくないのだ。
けれど実際、タカヤは先輩と出会ってしまい、彼女に告白しようと思う。お前どれだけ惚れっぽいんだ。
188:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/01(金) 20:11:36.03 ID:ymXqud5po
幼馴染だって、こんな事態に発展すると思って嘘をついたわけではないのだ。
話を分かりやすく終わらせようとしただけに過ぎない。
結果的に話がややこしくなってしまった感はぬぐえないが。
189:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/01(金) 20:12:02.22 ID:ymXqud5po
「みー」のことを考えなければ、タカヤが先輩に告白しようとするのはいい傾向と言えなくもない。
もちろん、「みー」のことがなかったとしても俺は彼の行動を止めようとしただろう。
どう考えても勝ち目が薄いからだ。
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