238:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/04(月) 15:43:34.54 ID:zLN0eH15o
中庭につく。天気は薄曇りだったので、外は肌寒い。
「なんのつもり?」
239:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/04(月) 15:44:08.21 ID:zLN0eH15o
「悔しいって、どういうこと?」
「何もできませんでした」
240:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/04(月) 15:44:48.93 ID:zLN0eH15o
「こないだはすっかり反省した様子だったのに、まだ何か企もうと言うわけ?」
俺は訊ねた。微妙に呆れてもいた。これ以上俺たちが誰に何をできるっていうんだ。
そもそも俺たちの方向性は最初から揺らいでいた。何を目指していたのか分からない。
241:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/04(月) 15:45:15.40 ID:zLN0eH15o
俺が黙ったままでいると、幼馴染は言葉を繋いだ。
「きみだってそうなんじゃないですか?」
242:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/04(月) 15:46:27.30 ID:zLN0eH15o
少し考え込む。思いつくフラストレーション。ないではない。でも、だからといって、それをどうこうしようという気分にはなれない。
「世の中の大半の感情は、ひょっとしたら『一時の気の迷い』なのかもしれないね」
243:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/04(月) 15:46:53.31 ID:zLN0eH15o
とにかく、と彼女は言う。
「わたしは取り戻すのです。そのために努力を重ねるのです」
244:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/04(月) 15:47:19.62 ID:zLN0eH15o
「わたしも手伝います」
「なにを?」
245:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/04(月) 15:48:35.69 ID:zLN0eH15o
俺がなくしたものってなんだろう。なくしたもの。取り戻したいもの。それはそのまま、欲しいものを指す。
俺の中の指向性。俺の中の方位磁石。どこを指しているんだろう?
失われてしまった指向性。身勝手なほどの自己中心性。自分の意思。俺は何がしたいんだったっけ。
246:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/04(月) 15:49:03.56 ID:zLN0eH15o
「これ以上『みー』のことに関われないというのは分かってます。あの子の問題です」
そりゃ、そうだ。そんなにあっさり言われてしまうと、抵抗はあるが。
247:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/04(月) 15:49:35.03 ID:zLN0eH15o
俺は溜め息をついた。
「まぁ、場合によっては協力するよ」
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