353:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/09(土) 11:56:28.89 ID:sAYgZV8xo
妹が帰ってきて、俺の部屋のドアを叩いた。
飲み物を置いたらそのままいなくなるかと思ったのだが、椅子に座って本を読み始める。
俺は眠りたかったが、なんとなく眠れなかった。
354:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/09(土) 11:56:55.34 ID:sAYgZV8xo
「嘘だ。怒ってなかったら俺を避けたりしない」
「避けてないよ、別に」
355:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/09(土) 11:57:27.89 ID:sAYgZV8xo
「分かったよ。もう訊かない」
俺が言うと、妹は少しだけほっとしたような表情になる。
こっちが悪いことでもしたような気分になる。いや、したのだけれど。
356:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/09(土) 11:57:54.18 ID:sAYgZV8xo
「わけがわかりません」
妹は呆れたようだった。俺は何も言えない。
357:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/09(土) 11:59:05.80 ID:sAYgZV8xo
「わたしにもわかんない。感情はいつでもアンビバレンスで、行動はいつでもダブルバインドなの」
「難しいこと言うなぁ」
358:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/09(土) 11:59:31.91 ID:sAYgZV8xo
「この前も答えたと思うんだけど」
「うん」
359:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/09(土) 12:00:02.55 ID:sAYgZV8xo
「具合悪い?」
「全然平気」
360:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/09(土) 12:02:41.31 ID:sAYgZV8xo
なんなんだ、こいつの態度は。熱も相まってひどく混乱している。
何を考えればいいのかもわからない。
本当に俺はひとりだって平気なんだから、放っておいてくれてかまわないのに。
361:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/09(土) 12:03:08.47 ID:sAYgZV8xo
「おやすみ、兄さん」
灯りを消し扉を閉めるとき、彼女は最後にそう言った。
362:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/09(土) 12:03:34.34 ID:sAYgZV8xo
つづく
363:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]
2012/06/09(土) 12:08:39.99 ID:J07Ebc3Go
たのしい
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