638:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/22(金) 18:17:51.53 ID:wS5cp47fo
声には憤りがこもっている。
「赤の他人なら簡単に捨てられる。気分の悪い話だが。だが、妹ならどうだ? 飽きたといってお互い綺麗に捨てられるのか?」
639:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/22(金) 18:18:17.16 ID:wS5cp47fo
裁判長は言う。
両親はどう思う。仮にそんなことになってしまったら。
第一、血の繋がりがなかったところで、お前たちは世間から見れば兄妹なのだ。風当たりは強い。
640:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/22(金) 18:18:43.46 ID:wS5cp47fo
お前はどんな境遇だろうと適当に言い訳を並べるだけだ。
だがそんな言い訳が、現実に社会で何の役に立つというのだ。
現に社会に認められることがないという事実がその後の人生では最大の障害となるのに!
641:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/22(金) 18:19:09.32 ID:wS5cp47fo
ふと目を覚ます。
部屋の中は赤く染まっている。夕方なのだ。俺は息を整える。ひどい夢だった。
汗を掻いていた。ひどく寒い。ベッドから抜け出す。喉が渇いている。
642:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/22(金) 18:19:35.23 ID:wS5cp47fo
自分でも、気味が悪い。
どうしてあんな夢を見るほど真剣な想像を膨らませているんだろう。
不意に、声を掛けられる。
643:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/22(金) 18:20:28.39 ID:wS5cp47fo
「何考えてたんですか?」
「別に、何も」
644:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/22(金) 18:20:55.81 ID:wS5cp47fo
「だって、ずっとそうじゃないですか。わたしが知る限りではずっと」
「お前が知る限りって、それさ」
645:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/22(金) 18:21:21.78 ID:wS5cp47fo
「ごめんなさい。わたしも、きみの気持ちとか、あんまり考えてないかもしれない」
幼馴染は言う。
俺は溜め息をつく。それを言ったら、俺だってこいつの気持ちなんてまったく考えていないのだが。
646:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/22(金) 18:21:51.53 ID:wS5cp47fo
「だめだったかあ」
そう言って、彼女はおおきく伸びをする。西日のさす公園で、その影は長く伸びた。
647:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/22(金) 18:22:17.21 ID:wS5cp47fo
つづく
648:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/06/22(金) 18:25:58.11 ID:rmk2KHkIO
おっつん
幼馴染は俺が
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