662:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/23(土) 17:48:24.02 ID:3VZorDbio
率直に言って驚いた。あの子にそんな行動力があるようには見えなかったし、実際なかったのではないか。
幼馴染からも何もきかされていないから――彼女が俺に話す義理はないのだが――たぶん、みーの独断なのだろう。
それもこの時期に。なんともいいがたい話だ。
663:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/23(土) 17:48:49.99 ID:3VZorDbio
「で、どうするの」
俺が訊ねると、タカヤは首をかしげた。
664:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/23(土) 17:49:25.67 ID:3VZorDbio
「断りたいっていうか、引き受けても仕方ないというか……」
だって別に彼女のこと好きじゃないし、というかよく知らないし、という顔をしている。
まぁ、そりゃそうなのだ。好きでもないのに期待を持たせたってしょうがない。
665:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/23(土) 17:50:11.71 ID:3VZorDbio
「いけめんってこわい」
「世の中って不平等だよなぁ」
666:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/23(土) 17:50:37.58 ID:3VZorDbio
「なんか、お前らひょっとして、俺の話どうでもいい?」
タカヤが拗ねたようにこちらを見る。やめろよ、そんな子犬系のまなざしでこっちを見るなよ。
中身は猛犬になってしまったのに。……より一層たちが悪い。
667:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/23(土) 17:51:08.01 ID:3VZorDbio
「受けてみようかな」
とタカヤは言った。
668:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/23(土) 17:51:34.47 ID:3VZorDbio
放課後、俺が中庭のベンチで暇を潰していると、茶髪がやってきた。
冷戦状態からは解放されたものの、お互いなんだか距離がある。
当たり前と言えば当たり前だ。彼は俺が嫌いだとはっきりと言ったし、俺も彼が嫌いだとはっきりと言った。
669:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/23(土) 17:52:03.04 ID:3VZorDbio
それでも、彼は俺のもとにやってきた。不思議なことだ。
彼は何も言わなかった。うーん、と俺は考え込む。何かを言えばいいのだろうか。
謝ればいいのか。いや、それはもうした。
670:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/23(土) 17:52:35.36 ID:3VZorDbio
茶髪は気だるげに溜め息をついてから、それでもしっかりと答えてくれた。
「この学校にはな」
671:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/23(土) 17:53:11.02 ID:3VZorDbio
「もうすぐ冬休みだねえ」
俺は話をずらした。都合の悪いは受け流すに限る。
茶髪は頷きすら返さなかった。
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