787:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/01(日) 17:19:48.04 ID:3WNZ2/ouo
家の前まで迎えに行くと、彼女は落ち着かない様子で玄関に立っていた。
俺はその様子に、なんだか戸惑う。
昨日までとは様子がまったく違った。
788:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/01(日) 17:20:15.27 ID:3WNZ2/ouo
街の方に移動している最中、幼馴染は周囲の目を気にするように視線をあちこちに泳がせていた。
表情は緊張している。本当に昨日までとはまったく違う態度だ。
街中は静かだった。人が少ないと言う意味じゃない。たくさんの人が歩いている。
789:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/01(日) 17:20:51.27 ID:3WNZ2/ouo
喫茶店に入る。普段から寂れているが、今日はとくに人気がない。
天気のせいもあって中は薄暗く、俺はなんとなく気分がよかった。静かで薄暗い空間は、妙に落ち着く。
窓辺の席に腰を下ろして、幼馴染と向き合う。
790:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/01(日) 17:21:17.88 ID:3WNZ2/ouo
「それで」
ようやく視線をこちらに向けたかと思うと、真面目な表情をつくって幼馴染は言った。
791:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/01(日) 17:21:49.59 ID:3WNZ2/ouo
「うん。目に見えて沈んでた。から、なにか悩みでもあるのかと思って」
こういう言い方をするのは得意じゃない。
彼女は戸惑ったような顔をする。
792:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/01(日) 17:22:20.12 ID:3WNZ2/ouo
言いかけて、結局彼女は口籠った。
「……アキと関係があるの?」
793:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/01(日) 17:22:53.38 ID:3WNZ2/ouo
「いいよ。でも言いたくなったら言えよ。あんまり心配かけるな」
「……心配したんですか?」
794:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/01(日) 17:23:19.52 ID:3WNZ2/ouo
どこか行きたい場所があるのだろうか。それとも、何か思うところがあるのか。
「……いえ。いいです」
795:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/01(日) 17:23:47.46 ID:3WNZ2/ouo
ぽつりと、幼馴染が声を漏らした。
「どうせ……」
796:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/01(日) 17:24:16.49 ID:3WNZ2/ouo
「乾いたの。俺は。コンビニ寄ろうぜ」
「じゃあわたし、先に帰ってます」
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