過去ログ - 妹「なぜ触ったし」
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903:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/08(日) 20:15:47.03 ID:EPAdG/kto

 瞼を閉じる。どうにも溜め息が出る。俺はこれまでに何人の人間を悲しませてきたのだろうかと考えた。
 どれだけの人間を苛立たせ、苦しませ、呆れさせ、軽蔑させ、失望させ、嫌われてきたのか。

 次に、どれだけの人間を楽しませ、喜ばせ、どれだけの人間に好かれてきたのかを考えてきた。
以下略



904:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/08(日) 20:16:13.48 ID:EPAdG/kto

 でもときどき、奇特なことに○ボタンを押してくれる人がいる。
 俺がどれだけ無神経で怠惰でアホでマヌケなことをやっても許してくれる人がいる。
 俺がどれだけ努力して結果を出しても認めてくれない人がいるように。

以下略



905:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/08(日) 20:17:40.07 ID:EPAdG/kto

 さて、と俺は考える。頭は上手く回らない。

 こんなふうになってしまうだけの理由は、いくらでもある。幼馴染のことも妹のことも。
 ふたりとも、俺から離れてしまってもまったくおかしくない。
以下略



906:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/08(日) 20:18:14.54 ID:EPAdG/kto

 離れたくないなら、どうするのか。
 都合よく自分の周囲の人たちに、囲まれていたいと望むなら、結局、どうするのか。

 それはもう、未練がましくすがりつくしかないのだ。
以下略



907:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/08(日) 20:18:40.35 ID:EPAdG/kto

 けれど、自分の意思をはっきりと表明することは困難だ。
 いつだってさまざまなしがらみが、言葉を縛り付けてくる。
 いつのまにかさまざまなものが、口を縫い付けている。

以下略



908:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/08(日) 20:19:35.41 ID:EPAdG/kto

 急に眠気が襲ってくる。だからどうでもいいことを考えるのだ。
 でもしょうがない。うとうとしていると、頭の内側のスクリーンで奇妙な映像が流れ始める。夢だ。
 どうやら夢らしい。でも、細かなディティールが分からない。なぜだろう。

以下略



909:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/08(日) 20:20:01.68 ID:EPAdG/kto

 そこに女の子がいる。ふたりめだ。

「今日も来たね」

以下略



910:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/08(日) 20:20:46.95 ID:EPAdG/kto

 待っていた方はしばらく考え込む。うーん。今日はどうしようか。ブランコはふたつしかない。シーソーはふたりのり。
 滑り台は……もう飽きた。動物の乗り物も。遊具はぜんぶだめ。ぜんめつだ。
 
 砂場で何かをつくって遊ぼうか。いや、うーん。……まぁ、いいか。なんでもいい。
以下略



911:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/08(日) 20:21:18.38 ID:EPAdG/kto

 指をさされたチビは、面食らってのけぞる。
 手を引いてきた方が、つないだままの手をぶらぶら揺すって不平をあらわにした。

「じゃあわたしは?」
以下略



912:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/08(日) 20:21:58.57 ID:EPAdG/kto

「じゃあ、ふたりともお嫁さんでいいね」

「……ふたりとも、お嫁さん?」

以下略



913:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/08(日) 20:22:30.14 ID:EPAdG/kto

「誰って、そうなってるんだよ」

「だから、そうなってるって、誰が決めたの?」

以下略



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