904:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/08(日) 20:16:13.48 ID:EPAdG/kto
でもときどき、奇特なことに○ボタンを押してくれる人がいる。
俺がどれだけ無神経で怠惰でアホでマヌケなことをやっても許してくれる人がいる。
俺がどれだけ努力して結果を出しても認めてくれない人がいるように。
905:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/08(日) 20:17:40.07 ID:EPAdG/kto
さて、と俺は考える。頭は上手く回らない。
こんなふうになってしまうだけの理由は、いくらでもある。幼馴染のことも妹のことも。
ふたりとも、俺から離れてしまってもまったくおかしくない。
906:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/08(日) 20:18:14.54 ID:EPAdG/kto
離れたくないなら、どうするのか。
都合よく自分の周囲の人たちに、囲まれていたいと望むなら、結局、どうするのか。
それはもう、未練がましくすがりつくしかないのだ。
907:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/08(日) 20:18:40.35 ID:EPAdG/kto
けれど、自分の意思をはっきりと表明することは困難だ。
いつだってさまざまなしがらみが、言葉を縛り付けてくる。
いつのまにかさまざまなものが、口を縫い付けている。
908:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/08(日) 20:19:35.41 ID:EPAdG/kto
急に眠気が襲ってくる。だからどうでもいいことを考えるのだ。
でもしょうがない。うとうとしていると、頭の内側のスクリーンで奇妙な映像が流れ始める。夢だ。
どうやら夢らしい。でも、細かなディティールが分からない。なぜだろう。
909:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/08(日) 20:20:01.68 ID:EPAdG/kto
そこに女の子がいる。ふたりめだ。
「今日も来たね」
910:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/08(日) 20:20:46.95 ID:EPAdG/kto
待っていた方はしばらく考え込む。うーん。今日はどうしようか。ブランコはふたつしかない。シーソーはふたりのり。
滑り台は……もう飽きた。動物の乗り物も。遊具はぜんぶだめ。ぜんめつだ。
砂場で何かをつくって遊ぼうか。いや、うーん。……まぁ、いいか。なんでもいい。
911:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/08(日) 20:21:18.38 ID:EPAdG/kto
指をさされたチビは、面食らってのけぞる。
手を引いてきた方が、つないだままの手をぶらぶら揺すって不平をあらわにした。
「じゃあわたしは?」
912:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/08(日) 20:21:58.57 ID:EPAdG/kto
「じゃあ、ふたりともお嫁さんでいいね」
「……ふたりとも、お嫁さん?」
913:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/08(日) 20:22:30.14 ID:EPAdG/kto
「誰って、そうなってるんだよ」
「だから、そうなってるって、誰が決めたの?」
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