過去ログ - 高木「昔話は小洒落たバーで」
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11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[sage]
2012/05/28(月) 23:55:19.90 ID:/I28LKnko
「お前とは反りが合わんな。で、いつ新しいアイドル“候補生”は入るんだ」
こうして軽口を叩く間柄にもなった。なんだかんだ言って、新しいアイドルについて気にしているらしい。

「おぉ、社長から聞いたんだけどな、来週には候補生で入るらしい」
「来週か。そのときこそ、お前に引導を渡してやろう」
以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/05/29(火) 14:37:21.17 ID:vRFJeBGa0
雰囲気バッチリだな。
読み応えありそうだわ。
期待


13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)[sage]
2012/05/30(水) 18:31:01.96 ID:EoiMD5rAO
期待!


14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[sage]
2012/05/31(木) 23:17:57.00 ID:AG48E/nCo
ちょっと文章が気に食わないので書き直します。


15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)
2012/05/31(木) 23:21:50.56 ID:AG48E/nCo
室内は薄暗く、ボトルやグラスが並んでいるカウンター正面の棚の背中は、薄い水色のライトが光っていて、顔を覚えてしまった初老のバーテンダーは、いつもの様に仏頂面だった。

室内の中央壁際には年季の入ったグランドピアノと、薄汚れたキックドラムが目に付くドラムセットがおいてあり、その前には演者を迎えるスタンドマイクがある。

背もたれのない固い丸椅子に腰掛け、ひじをカウンターに預け、私は横に座る、つい先日全治数ヶ月の重体から帰ってきた、期待の敏腕プロデューサーとグラスを打った。
以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[sage]
2012/05/31(木) 23:23:28.62 ID:AG48E/nCo
今日は我が765プロダクションの皆を集めて、彼の退院祝いを兼ねたささやかな花見をした。
弁当を持ち寄った娘もいて、料理に舌鼓を打ち、皆で騒いだ。
空が薄紫になったあたりで、宴は終わり、私と彼は二人だけで男臭い二次会に来たのだ。

「久々に皆で集まって、騒げたのはとても楽しかったです」
以下略



17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[sage]
2012/05/31(木) 23:24:18.66 ID:AG48E/nCo
店内の他の客がにわかに騒ぎ始めた、と思っていた途端に静かになる。
彼は何事か、と丸椅子をぎぃと回し、店内の中央に体を向けた。私も体を回す。
今でさえ暗い照明が、もう一段階落とされる。店内を照らすのは、テーブル席の中央に置かれている赤いキャンドルだけだった。

ぱっ、とグランドピアノにライトが当てられた。
以下略



18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[sage]
2012/05/31(木) 23:25:09.22 ID:AG48E/nCo
ピアノが旋律を奏でる。
ハンマーに叩かれて伝わる弦の振動は、細い音に変わり私達の耳元でささやいた。
女性が歌う。伸びやかで力強い声だ。

これはなんの曲だろうか。ジャズということしかわからない。
以下略



19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[sage]
2012/05/31(木) 23:25:36.87 ID:AG48E/nCo
「あぁ。黒井とも同じだよ。元々黒井とは同じプロダクションだったからね」
「そうなんですか。じゃあ音無さんはなんだったんですか。事務員?」
「君は音無君に気があるのかね?」
「えぇ!? そういうわけじゃないですよ! ただ気になっただけで」
彼をからかうと面白い反応が返ってくる。これは真美君と亜美君に教えてもらった。
以下略



20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[sage]
2012/05/31(木) 23:26:33.85 ID:AG48E/nCo
「そうだな。あれは君が入社した頃と同じ春先だったかな」
私はあの当時を思い返し、言葉を選びながら話す。


「私と黒井は、あるプロダクションに入社してから何年か経っていた。業界では黒井と揃って敏腕なんて呼ばれていてね」
以下略



21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[sage]
2012/05/31(木) 23:27:05.85 ID:AG48E/nCo
「もう一人は君もこの業界にいるのなら知っているだろう、日高舞だ」
「日高舞!? あの日高舞ですか?」
彼は思ったより大きな声を上げる。
初老のバーテンダーがいつにもまして顔をしかめていた。

以下略



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