160:箱庭の魔女[saga]
2012/07/11(水) 22:47:27.75 ID:qQjvGW6F0
まどか「暇だね」
さやか「暇だね」
まどか「…………」
さやか「…………」
ずっと昔のことを話します。
なかなかエレベーターが直らないことを不審に思った私達は、不安に支配される前に助けを呼ぶボタンを何度も押しました。
すぐに人に繋がり、私達は安心して助けを要求し、電話の先の人たちもそれに応えてくれました。
それからしばらくは、本当に軽い雑談をしていました。
そうして待っていました。
待っていましたが、二回目の「お腹が空いたね」という発言をしてから私達は押し黙ってしました。
そして一向に人が来ない不信感に仰々しく煽られ、またまたボタンを押しました。
今度は繋がりませんでした。
まどか「…………カクテルの名前でしりとりしよっか」
さやか「…………あたしら未成年じゃん」
まどか「…………」
さやか「…………二階堂」
まどか「…………さやかちゃん」
さやか「…………」
まどか「それ日本酒だよ…………」
さやか「………………うん」
急に不安になった私達は、とにかく外部に連絡する手段を模索しました。
しかしこんな状況で頼りになるものといえば、鞄の中にある携帯電話くらいでした。
それでもまだマシだと思い、さやかちゃんはポケットをまさぐり始めました。
そしてすぐに、忙しなく動いていた手を休めてしまいました。
さやかちゃんのポケットはそれほど広くはないのです。
当然と言うべきか、さやかちゃんは携帯電話を持っていませんでした。
ほんの僅かに家を離れるだけなら、わざわざポケットを重たくしてまで緊急連絡手段を持ち運ぶ理由はないからです。
私は一瞬がっかりしましたが、さやかちゃんを責めるのは間違ってるとすぐに気付いて、今度は自分の鞄を探し始めました。
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