161:箱庭の魔女[saga]
2012/07/11(水) 22:48:41.58 ID:qQjvGW6F0
まどか「…………」
さやか「…………ねえまどか、ティッシュ持ってる?」
まどか「…………はい」
162:箱庭の魔女[saga]
2012/07/11(水) 22:50:07.27 ID:qQjvGW6F0
私は鞄に突っ込んだ手にしっくりと収まる、長方形の少し分厚いプラスチックの手触りをした、お皿より軽くフォークより重いものを見つけました。
希望は私の手の中にあったのです。
それはまさしく私が愛用している、愛らしい猫のストラップを身に付けたピンクの携帯電話でした。
私達は歓喜の声を上げ、私は貝の様に二つに閉じられたそれを、パカリと勢いよく開けました。
163:箱庭の魔女[saga]
2012/07/11(水) 22:51:30.54 ID:qQjvGW6F0
まどか「青いもの」
さやか「…………」
まどか「…………古今東西ゲーム」
164:箱庭の魔女[saga]
2012/07/11(水) 22:53:34.66 ID:qQjvGW6F0
私がそこで三回目の空腹発言をしたことは覚えています。
逆に言うと、ここまでしか覚えてませんでした。
そして、さやかちゃんが妙案を出しました。
すなわち、キュゥべえに助けを呼んできてもらおうというのです。
165:箱庭の魔女[saga]
2012/07/11(水) 22:55:30.15 ID:qQjvGW6F0
私達はそれで完全に沈黙しました。
私は鞄を放って、スカートでお尻が汚れないように体育座りをしました。
目の前のさやかちゃんが何か言いたげでしたが、とてもそんな気分になれなかったのか、口を半開きにしたまま私と同じように座りこんでしまいました。
まどか「…………昨日テレビ見てたの」
166:箱庭の魔女[saga]
2012/07/11(水) 22:56:57.83 ID:qQjvGW6F0
まどか「…………」
さやか「…………」
まどか「…………映画とかでさ」
167:箱庭の魔女[saga]
2012/07/11(水) 22:59:50.83 ID:qQjvGW6F0
まどか「…………こんな…………ぜっ……おかしいよ…………」
さやか「…………」
背の低い私は、自分で言うのもなんですがそんなに体力に自信がある方ではありません。
168:箱庭の魔女[saga]
2012/07/11(水) 23:03:10.96 ID:qQjvGW6F0
まどか「…………」
さやか「…………」
まどか「…………」
169:箱庭の魔女[saga]
2012/07/11(水) 23:04:50.25 ID:qQjvGW6F0
あれからどれくらいの時間が経ったのか、私には分かりません。
不思議とトイレに行きたいという気持ちにはなりませんでした。
でもお腹はずっと空いたままなので、もう何もする気になれませんでした。
今キュゥべえが来たら、きっと契約してしまうと思います。
170:箱庭の魔女[saga]
2012/07/11(水) 23:05:56.42 ID:qQjvGW6F0
まどか「何度繰り返しても抜け出せないのはなんでだろう〜」
さやか「なんでだろう〜」
さやか「二人でいるのに孤独に押しつぶされそうなのはなんでだろう〜」
171:箱庭の魔女[saga]
2012/07/11(水) 23:09:41.26 ID:qQjvGW6F0
あれからどれくらいの時間が経ったのか、私には分かりません。
気が付くと私達は、まださやかちゃんの家を出た頃とほとんど変わらず紅いままだった空を眺めていました。
目を凝らせば、一番星どころか十番星くらいは見つけられそうな、そんな空です。
二人してぼーっと顔を上げていました。
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