250:青い空、黒い雲[saga]
2012/12/09(日) 18:18:50.73 ID:sOOdj8xN0
転校生は何も言わず、じっとあたしを見る。
相変わらず、本当に見ているのかと不安になるほどに透き通った瞳。
虚ろだ。
そういう表現が一番似合うと思った。
あたしはたまらず目線を下に逸らした。
そこにあったのは4時間目に出された国語の宿題のノート――
「なに、これ」
ではなく、小難しい計算式と簡単な絵でびっしりと埋められた宿題とはほど遠いものだった。
書かれていることの内容は全く分からなかったけど、一番大きい丸で囲まれているのは「War」という言葉が気になった。
確か、英語で戦争という意味だったっけ?
「それなんなの」
「あなたには関係ない」
言うが早いかノートを閉じて、あたしは部外者だとでも諭すように無言で睨んでくる。
あたし達を追い出すための算段を立てていたのか、あるいは何かこいつが隠してることに関係してるのか。
いずれにしても、これ以上詮索するつもりはなかった。
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