342:最終章 王女編「気高き乙女達」 ◆a6qh.01v1w[saga !桜_res]
2012/06/09(土) 01:29:26.43 ID:mcLgH+pT0
「姫、もう座興は終わりだ」
魔王は玉座から立ち上がり、その手を姫の方へ伸ばしました。
「吾が妃となるが良い、虹の王女よ。そして風の妖精よ、その力を我に」
魔王は、呪いの力の込められた恐ろしい声で、ふたりに呼びかけました。
絹旗は震えながら、ふらふらと魔王のほうへ進もうとしています。
姫も、絹旗を追うように玉座へ踏み出しました。
その時、姫の頭のエメラルドティアラが輝きました。
姫は、はっと我に返りました。
「きぬはた。あの言葉の意味、分かってきたよ」
「え、あの言葉、って?」絹旗は目をしばたかせました。
「こういう時に叫ぶんだよね?」
姫はいたずらっぽく笑いました。
もう絹旗の体の震えは止まりました。
そして、笑いながら両腕を振り回しました。
「そうですっ! 一緒に超叫ぶんですよっっ!!」
ふたりは大きく息を吸い込みました。
「アー
ホー
かーっっっっっっっ!!!」
姫と絹旗は、お腹のそこから叫びました。
「姫っ! あなた超最高ですよっ!! ほンと、超いかしてます!」
絹旗は姫に向かって、片目を閉じてみせました。
「なっ…何だと! 定命のものが、予の声に逆らうか!!」
魔王は「驚愕の叫び」をあげました!! …そのとき!
バルコニーの下の扉が開く音がしました。
そしてひとりの若者が、雄叫びとともに広間に飛び込んできました。
→ 最終章 王子編「勝利への階段」
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