過去ログ - 伊織「だって、あんたが好きだから」
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76:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)[sage]
2012/06/10(日) 15:09:09.11 ID:kbSnN6gzo
など、と当時の私は青いことを考えていた。
おかげで大変な苦労をした。
フランス語は得意だからなんともなかったが、東洋人というだけで奇異な目で見られることも多かった。
だから、人一倍努力した。
睡眠時間を削ってフラフラになるのなんてしょっちゅうだった。
しかし、そんなものは律子のシゴキに比べたらなんともなかったと思う。
必死に努力をしたおかげで、最近では少しずつ人に認められるようになってきている。
二十歳でデザイナーとして独立して、食べていけてる人は、私以外にはほとんどいないだろう。
眠い目をこすりながら、朝食の支度をする。
冷蔵庫からチーズを取り出す。
それをパンにのせてトースターに放り込んだ。
続けて食器棚からやかんを取り出すと、水を入れて火にかける。
ポットのお湯をティーポットとティーカップに注いで温めておく。
一人暮らしも長いから、一通りの家事はできるようになった。
昔の私に比べていろんな面で成長したのを実感する。
胸はあの頃とそんなに変わってないが。
お湯が沸くまで、窓から街並みを眺める。
一日のうちで一番好きな時間だ。
私のアパートは大通りに面しているから、たくさんの人がこの道を通る。
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