5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/06/11(月) 19:39:56.12 ID:mM4hAfqU0
「そうかな?あながち、間違いでもないと思うけど」
「まぁ、参考にするよ。ありがとね、聡」
情報を教えてくれた事に対する礼なのか、律を気遣ってくれた事に対する礼なのか。
律自身でも分かりかねているが、どちらにせよ感謝の気持ちは同じだった。
だから真摯な思いを込めて、礼を言った。
「そんな改まんなくてもいいよ。本当に参考になる話だったのか、自信ないし」
聡は照れたように笑いながら、手を振って返してきた。
「充分に参考になったよ」
少なくとも、律の背を押すだけの効果はあった。
そう、律は決めていた。いちごに告白しようと。
「あ、そうだ。聡」
決意して立ち上がった律だったが、ふと思い付く事があり足を止めた。
「何?姉ちゃん」
「あ、いや。さっきさ、いちごに色々訊かれたって、言ってたよね?
それで、私が貰って嬉しい物を尋ねられた時、何て答えた?」
「向日葵をモチーフにしたアクセって答えといた。
姉ちゃん、向日葵好きだろ?」
律は顔に満面の笑みを浮かべた。
「うんっ。ありがとね、聡」
今度は、分かっていた。
情報を教えてくれた事に対する礼だと。
礼の言葉のみならず、今度、聡に何か奢ってやろうと。
律はポケットの財布を握りながら思った。
財布に付けた向日葵のピンズが、指に触れた。
それは、いちごから貰った物だった。
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