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過去ログ - QB「魔法少女達の軌跡」

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231:激弾・紅孔雀[saga]
2012/12/06(木) 20:25:34.05 ID:U3hwOY4R0

　魔女の結界に入った四人と一匹。洋子の肩の上が、キュウべえの指定席になっているようだ。
「気を引き締めろ……来るぞ!!」
　和の言葉と同時に、無数の使い魔が現れた。

【武闘】の魔女の手下“バリオス”その役割は【取囲み】

　馬のシルエットをした使い魔達。あっという間に、全員が取り囲まれていた。全員が背中合せに立って、四方から構える。
「舐めんな!!」
　圭は、使い魔に目掛けて拳突きを繰り出す。
　しかし、嘲笑う様に使い魔に避けられていた。
「この……!!」
　知美も薙刀を一振り。だが、一匹も捕まえられない。
（……動きが早くて、狙いが定められない）
　洋子も銃口を使い魔に構えるが、素早い動きに翻弄されてしまう。
「落ち着け!!」
　和は大きく声を荒げた。
「……!?」
　突然出た鶴の一声に、思わず三人とも動きが固まってしまう。
「この使い魔を一匹ずつ仕留めるのは、至難の業だ。捕まえに行くよりも、迎撃に撤する方が賢い」
　和はそう伝えた。
　すると、使い魔の一匹が、和に向かい飛び掛かってくる。
「セイッ!!」
　一太刀で、使い魔を切り裂いていた。
「……こうしていれば、その内魔女の本体が姿を見せる。この魔女は、実に好戦的だからな」
　再び、刀を構え直す和。
「随分と、この魔女知ってるみたいじゃん」
　知美は、和に向けて呟いた。
「ああ……。前に戦ったけど、勝てなかったのさ。二回やってね」
　和の言葉は、何処か自嘲的だった。
「ふーん……。つまり、勝てなかった魔女だから、手を貸してほしかったって事？」
「どう捉えて貰っても構わない。単に戦力が多い方が、討伐は確実だから」
　圭の問いに対しても、和は淡々とした口調だった。
「……ま、理由は何でもいいよ!!　目の前のバケモノを、纏めて倒すだけ!!」
　そう啖呵を切った圭は、両手に魔力を溜めた。
　そして、両手から小さい魔弾を連射する。使い魔を目掛けて、散弾銃の如く魔弾が飛び交った。
「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるって!!」
「……圭ちゃん、あんまり当たってないよ」
　得意げに声を張った圭に、洋子は冷静に突っ込んだ。下手な鉄砲は数撃っても、そう当たらなかった。
「お前、ホントアホじゃん……。そう言う時は、こうするのさ!!」
　今度は知美が、瞬間移動を発動させる。
　近距離で瞬間移動して、薙刀を振るう。使い魔はあっさり避けていたが、知美は構わず繰り返した。
　次は、切っ先が使い魔を切り裂いた。何度か連続していると、一匹、また一匹と、僅かながら使い魔を倒していく。
「……どんなもんよ!!」
　知美が秘儀を繰り返した結果、使い魔の数は半数近くまで減らす事に成功。しかも、使い魔達は一斉に動きを止めていた。
　ただし、知美のソウルジェムは、見て解る程度まで穢れを溜めている。
「使い魔相手に、魔力を使い過ぎだ馬鹿……」
　和は呆れた様に声を出した。
「……ねえ。それよりもさ」
　それに加えて、洋子が視線の先に影を見つけていた。
「ここからが本番だな!!」
　圭も、視線を影の正体に向ける。
「皆、来るよ!!」
　淡々としているキュウべえの口調が、急に慌ただしくなった。洋子の肩から飛び降りて、一歩だけ後ろから魔女の影を見つめる。
　全員が横一列に体制を変えると、嘲笑うような高笑いが結界中に響き渡った。

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