過去ログ - P「お前の夢にはついていけない」律子「……そう」
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35:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/06/24(日) 22:38:47.57 ID:mPrEAa4Zo
「ふふーん」

 765プロ第一事業部、と書かれた案内板に、『オフィス秋月』と書かれたプレートを張り付けようとしながら、彼女は鼻唄を漏らさずにはいられない。

「表札出すくらいが、そんなに大事(おおごと)かしら?」

 しばらく前に仕事から戻って、ロビーを通りかかり、律子の背後に陣取った少女が、かわいらしく小首を傾げて訊ねる。
 その手に抱えたうさぎとおそろいの真っ白なワンピース姿の伊織をちらりと見て、律子はにこにこと機嫌良く答えた

「大事(だいじ)よー。なにしろ、これがないと単なる居候じゃない」
「単なる居候でしょ。あんたの会社の名前で来る郵便物とか、実際あるわけ?」
「ぐ……。こ、これからよ!」
「まあ、そりゃ、これからでしょうけど」

 そこで口を閉じて、じっと作業を見守る伊織。特に面白いわけでもないだろうが、彼女はなぜか事務所に上がっていこうともせず、その場に
とどまっていた。

「出来た! これでどうかしら?」
「曲がってる。左が上がりすぎ」
「え? あ、ほんとだ……」

 伊織に指摘され、律子は再び作業に戻る。

「どうせなら、フロア半分くらいもらえば良かったのに」
「そこまで甘えられるわけないでしょ」
「そう? だって、このビルに移ってこられたのは、律子と千早の手柄でしょ」
「伊織たちの稼ぎもあるわよ」
「そうかしら。厳しく見積もっても、あんたがこのビルの四分の一くらいは稼いでると思うけど」

 そこで、いったん律子は黙り、プレートを押さえたまま、首だけ振り向いて伊織に告げた。


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