65: ◆aSQx.z3IE/pB[sage]
2012/07/12(木) 21:06:56.58 ID:b9JHiA5I0
真剣に言い放った彼女に対し、俺は
意味わかんねぇ……厨二なのか? なんて考えていた。
俺の沈黙をどういう意味に受け取ったのかは知らないが鞄の中から包みを取り出すと彼女は俺の前に差し出す。
「それより先輩そろそろお腹減ったでしょ? 私、お弁当作ったんでよかったら食べてください」
そう言って包みを開けると一般的なお弁当箱が出てきた。
確かに昼時だが緊張のせいか空腹は感じていないし、何が入っているかもわからない為どうやって断ろうか思案しているとそのお弁当箱の蓋が開かれる。
ドロドロででろでろしていて表現出来ない臭いな赤黒い何かが中に入っていた。
「はい。 あーん」
一見すると塩辛にも似ている半固形、半液体なそれを箸で摘むと彼女は俺の口元に近づける。
生臭くて微かに鉄の臭いがついていた。
「どうしたんですか? 食べないんですか?」
「何だよこれ」
「何でもいいじゃないですか」
「腹減ってないから」
「でももうお昼ですよ?」
「食欲、無いんだよ」
食べろ、食べないの問答を続けていたが俺が固く口を閉ざしてしまうと彼女は肩を落として弁当の蓋を閉めると
「……じゃあ、仕方有りませんね。 家で沢山食べましょう」
そう言って俺に笑いかけた。
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