39:卵かけご飯する者 ◆ZZgvzQZhlY[saga]
2012/07/11(水) 20:22:22.48 ID:XCNvRIvjo
映画の内容を端的に言えば、戦争へ行く男を見送る恋人……と言った所だろうか。
洋画だが、派手な演出などは抑え目に人間ドラマを中心に描いた作品だった。
どこでもよく見かけるような、よくある内容。
冷静な目で見ればB級映画というやつなのだろう。
40:卵かけご飯する者 ◆ZZgvzQZhlY[saga]
2012/07/11(水) 20:32:14.46 ID:XCNvRIvjo
エンドロールが流れ、館内が少し明るさを取り戻した時、ボクの目は涙で一杯になってた。
こういう時本当に、自分が涙もろい話に弱いこと自覚させられてしまって悔しい。
「ぜんばい……どう、でしだ……?」
41:卵かけご飯する者 ◆ZZgvzQZhlY[saga]
2012/07/11(水) 20:36:53.84 ID:XCNvRIvjo
何故だか少し微笑んでいたご老人の視線を受けつつ、ボク達は外へ出た。
あまりにも薄暗い中にいたものだから、そんなに明るくない外でも目がチカチカしてしまう。
さて……これから、どうする?
42:卵かけご飯する者 ◆ZZgvzQZhlY[sage]
2012/07/11(水) 20:37:21.96 ID:XCNvRIvjo
続く
43:卵かけご飯する者 ◆ZZgvzQZhlY[saga]
2012/07/14(土) 05:55:02.57 ID:jjXwkWgTo
少し暮れかけの空。
公園のタイヤに二人並んで座り、ボクらはそれを眺めていた。
連れてこられて座らされて、なのに後輩ちゃんは黙ってて。
静かな方が好きなボクだけど、こういう静かさは好きになれそうもない。
44:卵かけご飯する者 ◆ZZgvzQZhlY[saga]
2012/07/14(土) 05:55:33.45 ID:jjXwkWgTo
突然立ち上がった後輩ちゃん。口から勢いよく白い息が飛び出す。
座っているボクの目線の前にあるものだから、ついつい顔より一瞬ズボンから覗く生足へ目が行ってしまう。
すぐに後輩ちゃんの顔へと顔を向け直すと、後輩ちゃんは少しムスッとした顔でこちらを見ていた。
「……もう」
45:卵かけご飯する者 ◆ZZgvzQZhlY[saga]
2012/07/14(土) 05:56:03.16 ID:jjXwkWgTo
大雨降りしきる世界に、ボクは一人で立っていた。
風が強く吹き付け、雷が轟々と鳴り響く。
そんな中でもボクはキミの姿を探すが、影も形もそこにはいない。
当たり前なのは、分かってた。だけどキミに答えを求めようとしてた。
仮にここにキミがいたとしても……きっとキミは困ったようにボクを見つめることしか出来ないだろう。
46:卵かけご飯する者 ◆ZZgvzQZhlY[saga]
2012/07/14(土) 05:57:16.76 ID:jjXwkWgTo
……はぁ
キミと出会ってから、大分強くなれたと思っていたけど……どうやらそれは、キミへの依存で得た力だったみたいだ。
ボク一人になってしまえば、こんなもん。
吹き荒れる風を止めることも、鳴り響く雷を止めることも、出来やしない。
47:卵かけご飯する者 ◆ZZgvzQZhlY[saga]
2012/07/14(土) 05:57:43.97 ID:jjXwkWgTo
……あ
「……」
びしょ濡れのキミの瞳が、ボクを見つめる。
48:卵かけご飯する者 ◆ZZgvzQZhlY[saga]
2012/07/14(土) 05:58:12.76 ID:jjXwkWgTo
夕方の部室で、ボクは一人本を読んでいた。
昔買って一回読んでから放置していたライトノベル。
読み返してみると意外と細かい部分を忘れているのだな、と思わされる。
「あれ、部長……珍しいっすね、先にいるなんて」
49:卵かけご飯する者 ◆ZZgvzQZhlY[saga]
2012/07/14(土) 05:58:38.98 ID:jjXwkWgTo
……後輩ちゃんは?
「あいつですか?なんかあいつ、放課後なったらすぐどっか行っちゃってですね……」
大体予想してた答えが返ってきた。
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